イベント
練馬アニメカーニバル2017
練馬アニメカーニバル2017 レポート
毎年恒例の「練馬アニメカーニバル」が、今年も10月14・15日の2日間にわたって開催されました!
会場は、練馬駅北口にある、練馬文化センター、練馬区立区民・産業プラザ「Coconeri」、平成つつじ公園、ペデストリアンデッキ。
15日には、「練馬区独立70周年記念パレード」も練馬駅周辺で行われ、幅広い世代の方々が練馬区内外から訪れました。
練馬アニメカーニバル2017 ダイジェスト映像
練馬アニメカーニバル2017 ダイジェスト
映画『この世界の片隅に』大ヒット感謝祭
神谷明と大地丙太郎のかってにプロジェクト
10月14日(土)
練馬文化センター 大ホールイベント
手塚治虫文化賞受賞記念『昭和元禄落語心中』落語とマンガとアニメと。
『昭和元禄落語心中』は落語家と落語界を題材とした作品です。原作は雲田はるこ先生のマンガで、2016年にはアニメ1期、2017年にはアニメ2期が放映され、愛憎入り交じる人間ドラマと劇中の落語シーンのリアルさが多くのアニメファンに支持されました。当日は、会場がぎっしりと埋まるほどの大盛況。大勢のお客さまの熱気に会場が包まれました。
ステージでは、最初にアニメ『昭和元禄落語心中』2期の第9話が上映されました。そのあとで原作者の雲田はるこ先生、有楽亭八雲役の石田彰さん、落語立川流の真打ち・立川志らく師匠が登壇。3人でのトークに移ります。 トーク冒頭では「なぜ落語を題材に選んだのか?」との司会の問いに対し、雲田先生は「落語が好きだから」との明快な回答が。落語という、マンガではあまり扱われない題材を描くに際し、「間違いがないように気をつけました」とのことでした。
石田さんは本作の思い出として、オーディション時の裏話を披露してくれました。なんでも「死神」の演目を3分間のダイジェストで吹き込む形式だったとか。演目を自分で3分間に要約する難しさもさることながら、石田さんの頭を悩ませたのはサゲ(噺の落ち)をどう演じるか。「死神」は演者が高座の上で倒れる所作でサゲるのが一般的です。しかし、音声のみのオーディションでは、サゲが伝わりづらいと判断した石田さんは、志らく師匠の「死神」の型で演じたとのこと。ある意味では、石田さん演じる有楽亭八雲の根っこの部分に、志らく師匠がいるということなのでしょう。今回、志らく師匠に御登壇いただいたのは、そのような経緯もあってのことです。
会場に足を運んでくれたお客様へのメッセージとして、雲田先生は「放送終了から時間が経っているのに、まだまだ多くの方に見てもらえるのは幸せなことです」とコメント。石田さんは「『昭和元禄落語心中』という作品に出会わせていただき感謝しています。勉強することが多かった作品です」と述懐し、志らく師匠は「この作品は落語家を格好良く描いてくれて、落語というものを若い人に知らしめてくれた。あたらしい層が落語に触れてくれたことがうれしい。この作品がこれからも広がっていくことを切に願っています」と、それぞれ作品に対する思いを吐露してくれました。
映画『この世界の片隅に』大ヒット感謝祭
「練馬アニメカーニバル」では、2013年から片渕須直監督に関わるプログラムを展開。「練馬アニメカーニバル2015」では、片渕監督とこうの先生をゲストに、公開1年前記念イベントを開催しました。
そして今年、大ヒットという大きな成果とともに、『この世界の片隅に』が練馬アニメカーニバルに帰ってきました。今回は大ホールの2階席も埋まるほどのファンが集結しました。
イベントには、片渕監督、プロデューサーの真木太郎さん、黒村径子役の尾身美詞さん、白木リン役の岩井七世さんの4人が登壇。まずは大ヒット御礼挨拶から。
続いては、特別に本編の一部を上映し、登壇者全員で生コメンタリーを実施。作中で印象的に描かれる、すずさんが白いタンポポの種を飛ばすシーンでは、片渕監督が「白いタンポポは西日本に多いそうで、それが本当に印象深かった(ので採用した)」とコメント。何気ないシーンにもリアリティを求めた監督らしいコメントが随所にちりばめられた上映となりました。
なかでも印象的だったコメントを紹介します。
尾身さん「次の世代に見せたくなる、本当に素敵な作品です。息の長い作品になってくれたらうれしいです。別のイベントにも出させていただきましたが、観客のみなさんが「とにかくたくさんの人に観てもらいたい!」という私と同じ気持ちを共有していて、大きなファミリーのようでした。今日のイベントと同じです。本当に感動しました」
岩井さん「もう劇場で7回も観ています(笑)。 そのたびごとにたくさんの出会いがあり、いろんな映画館に行けて楽しかったです。ツイッターでもいっぱいコメントをいただいていて、やっと今日こうしてみなさんと会えました」
片渕監督「ほんとうにたくさんの方が映画館に足を運んでくれました。むしろこの作品で、お客さんが映画館(という素晴らしい空間を)を発見したんじゃないでしょうか。まだ(賞やイベントなどの)動きがあるので、またお目にかかれる機会があると思います」
今回のイベントのために、東京都区内のみならず全国各地から駆けつけてくれた方々もいらっしゃったようで、最後の挨拶で片渕監督も「本当にありがたい」と感慨深そうにおっしゃっていました。挨拶が終わり、壇上のみなさんが退場された後も、温かい拍手がいつまでも会場に鳴り響いていました。
Coconeri会場 トークイベント
アニメビジエンス・シンポジウム
産業イベントコーナーの一角では、両日にわたってトークイベントが開かれました。
14日(土)のイベントは「アニメビジエンス・シンポジウム」。「アニメビジエンス」はアニメビジネス専門の業界誌で、『この世界の片隅に』のプロデューサーとして知られる真木太郎さんが編集長を務めています。今回のトークは、その真木さんに加え、新千歳空港 国際アニメーション映画祭のフェスティバルディレクターを務める株式会社ニューディアー代表取締役の土居伸彰さん、博報堂マーケティングシステムコンサルティング局の森保之さんの3人をゲストとして開催されました。司会進行は「アニメビジエンス」ライターの稲田豊史さんです。
お話は、まずは日本のアニメ業界内部の事情から。制作費や利益率の話など、非常にシビアな報告や問題提起が続きます。真木さんは業界の現状を「構造不況」と表現します。
そんななか、近年では一般企業がテレビCMで長めのアニメーションを使用する例が増えてきています。それに対し、森さんは「トリスやカールなど、昔からアニメを使用する例はあった。近年では親近感の醸成だけでなく、ブランドの世界観を伝えたり企業等の印象を刷新する目的においても、作家性が出せたり表現の幅など自由度の高いアニメが企業のCMに、より適したものになってきたのではないか」というコメント。
続いては、昨年(2016年)のアニメ映画ヒット連発についての話へ。『この世界の片隅に』のプロデューサーでもある真木さんは「特撮映画としての『シン・ゴジラ』も含めて、2016年にヒットした作品に共通するのは<作家性の強さ>と<見ごたえ感>」だと指摘します。ただ、問題はその作家性の強い監督とそれをサポートするスタジオに充分な力がないこと。そして「力をつけるには知恵が必要。交渉力もそうだし、こうなるべきという設計図がつねにないといけない」と話します。
土居さんは、「20世紀のアニメは<わたし>、21世紀は<わたしたち>というキーワードで区分されています。20世紀は<わたし対わたし以外>、オタクカルチャーとそれに反発する世間、という図式でした。かつては現実では起きようもないことをアニメで描いていましたが、近年は、コミュニケーションツールとしてアニメが利用されるようになった。傾向として、現実を肯定する作品が増えたな、という印象です」と発言。これは非常に示唆に富んだ指摘で、その後の議論も白熱しました。
Coconeri会場 研修室
キッズアニメの作り方教室
平成つつじ公園
オープニングセレモニー
ALL THAT JAZZ アニメJAZZライブ
よしもとアニメ芸人ライブ BAN BAN BAN
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