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映像講座「練馬のアニメスタジオの遺伝子」

練馬アニメーションサイト企画・映像講座「練馬のアニメスタジオの遺伝子」を開始します。
講師は日本のアニメーション史研究の第一人者・原口正宏さんです。原口さんの長年のご研究の中から、練馬区にある二つのスタジオ、東映動画(現・東映アニメーション)と虫プロダクションにスポットを当てます。それぞれのスタジオが、どのようなアニメーションづくりを行い、その特徴は現在どこにどのような形で息づいているのかを探ります。
現在の日本のアニメーション作品がいかにして生まれてきたのかを理解する上でも貴重な講座となっています。
日本のアニメーション制作の四源流(東映動画、虫プロダクション、竜の子プロダクション(現・タツノコプロ)、TCJ(現・エイケン))のうちの二つがあった練馬区だからこそお送りできる映像講座。
ぜひごゆっくりとご覧ください。

第1回 東映動画編 前編

  • 原口さんが着目したのは、東映動画(現・東映アニメーション)初代社長の大川博氏の先見性でした。映画会社東映の社長でもあった大川氏は、実写映画は言葉の壁を越えられないため海外セールスは難しいと判断。ディズニー作品をヒントに、アニメーション制作に乗り出すことを決断します。1956年に創立した東映動画には、母体である「日動映画」から森康二氏、藪下泰司氏らが参加。また、スタジオ完成とともに新たに採用された第一期生の中には大塚康生氏、楠部大吉郎氏らの姿がありました。

第2回 東映動画編 後編

  • 原口さんは、東映動画の特徴である「動きで表現することを大事にする」ことは、当初の制作体制である「1年間に1本のペースで劇場作品を製作・公開する」ことから生まれたと解説します。そんな制作現場で育ったスタッフたちに、やがて実写映画界から移籍してきたスタッフが合流。その頃、手塚治虫氏が「虫プロダクション」で連続TVアニメをスタートさせます。これがきっかけとなり、東映動画は制作体制の転換期を迎えます。

第3回 虫プロダクション編 前編

  • 原口さんは、手塚治虫氏とアニメーションの関わりから解説します。少年時代から海外のアニメーションのファンだった手塚氏は、『鉄扇公主』『せむしの仔馬』などをはじめ、『白雪姫』や『バンビ』といったディズニーアニメにも傾倒していきます。漫画を描く傍ら、自分でアニメーションを作りたいと思っていた手塚氏は、著作「ぼくの孫悟空」を原案とした東映動画作品『西遊記』で、念願のアニメーション制作に関わることになります。しかし、キャラクターデザインやストーリーの大幅な変更など、自由にならない部分が多かったことが、虫プロダクションの設立のきっかけにつながって行きました。

NEW第4回 虫プロダクション編 後編

  • 原口さんは、虫プロダクションの特徴として「作家性」を挙げます。漫画家(作家)であった手塚氏は、アニメーションの分野でもその意識を強く持ち、スタジオで働くスタッフにも、作家性を持つよう推奨していました。やがてこの虫プロダクションから、山本暎一氏、りんたろう氏、出﨑統氏、杉井ギサブロー氏、富野由悠季氏、高橋良輔氏といった演出家が育って行くことになります。

NEW質疑応答編

  • 「練馬のアニメスタジオの遺伝子」全4回の講義終了後に行われた質疑応答を公開。
    参加者からの質問に、原口さんが解説を交えながらお応えします。

講師:原口 正宏(はらぐち まさひろ)

アニメーション史研究家、ライター、編集者。リスト製作委員会代表。「データ原口」の名でも知られる、アニメーションのデータ収集における第一人者。著書に「TV アニメ25年史」、「アニメージュポケットデータ2000」などがある。
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