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練馬ほっと・キャスト 特別企画 練馬にいた! アニメの巨人たち

練馬区ゆかりのアニメクリエイターと、その作品の魅力を探る「練馬にいた!アニメの巨人たち」。
アニメ研究家の氷川竜介さんとアニメ史研究家の原口正宏さんが、そのクリエイターの魅力についてたっぷり語ります。

  • アニメ研究家 氷川竜介さん
  • アニメ史研究家 原口正宏さん

第20回 東映動画初期劇場作品を作った人々 その3

《東映動画初期劇場作品を作った人々》は、今回が最終回です。
第18回 東映動画初期劇場作品を作った人々 その1はこちら
第19回 東映動画初期劇場作品を作った人々 その2はこちら
ひとりのクリエイターを取り上げ、その作品の魅力を探る「練馬にいたアニメの巨人たち」。今回は視点を変え、日本の商業アニメーションの黎明期に活躍した東映動画のスタッフに着目していきます。
2019年4月より放送が始まるNHK朝の連続テレビ小説『なつぞら』は、商業アニメーションの黎明期に活躍した女性アニメーターが主人公。当時の東映動画のスタッフをモデルとしたキャラクターも数多く登場するようです。
今回は、このドラマ開始直前ということもあり、日本最初のアニメーション映画『白蛇伝』(58)から1970年前後までの約15年間の間に作られた劇場映画と、作品に携わったクリエイターを取り上げていきたいと思います。
東映動画(現・東映アニメーション)は1956年に発足。翌1957年には練馬区東大泉にスタジオも完成し、大泉の地でアニメーション制作をスタートさせました。

※以下の画像と解説をご覧になりながらお聞きください。
また、今回の内容には、紹介する作品のネタバレも含みます。ご注意ください。
※ご利用端末で音声が再生できない場合は、キャッシュの削除やPC版サイトへの切り替えをお試しください。
なお、OSのバージョンや機種によっては、再生できない場合がございます。

収録のようすと用語解説

前2回で語れなかったが、着目すべきアニメーターとその代表作品

■ 宮崎 駿(みやざき はやお)
アニメーション映画監督。1963年東映動画(現・東映アニメーション)へ入社。1971年に高畑勲氏、小田部羊一氏と共にAプロダクションに移籍、『パンダコパンダ』(72)に参加する。ズイヨー映像(のちの日本アニメーション)に移籍後は、「アルプスの少女ハイジ」(74)全カットの場面設定・画面構成を担当。「未来少年コナン」(78)でTVシリーズを初監督。テレコム・アニメーションフィルムに移籍し、『ルパン三世 カリオストロの城』(79)で劇場用長編アニメーション監督デビューを果たす。その後、『風の谷のナウシカ』(84)を経て1985年にスタジオジブリの設立に参加し、多数の作品を監督・プロデュースする。2001年に公開された監督作品『千と千尋の神隠し』は、興行収入300億円を超え、日本歴代興行収入第1位を達成。2018年現在もこの記録は破られていない。
■ 『空飛ぶゆうれい船』
東映動画が制作した1969年公開の劇場用アニメ。
原作:石森章太郎、監督(クレジットでは「演出」):池田宏、作画監督:小田部羊一、原画:奥山玲子、菊池貞夫、金山通弘、大田朱美、森英樹、宮崎駿、阿部隆
■ 永沢 詢(ながさわ まこと)
アニメーター。1958年、学習院大学在学中から東映動画で活動を開始。『もぐらのモトロ』(62)、『わんぱく王子の大蛇退治』(63)、『ガリバーの宇宙旅行』(65)等に原画として参加。
『わんぱく王子の大蛇退治』ではキャラクター原案を担当。
■ 『西遊記』
東映動画が制作した1960年公開の劇場用アニメ。手塚治虫氏「ぼくの孫悟空」が原案。
監督(クレジットは「演出」):藪下泰司、手塚治虫、白川大作、原画:森康二、大塚康生、熊川正雄、大工原章、古沢日出夫
■  『わんぱく王子の大蛇(おろち)退治』
東映動画が制作した1963年公開の劇場用アニメ。日本神話の天岩戸(あまのいわと)や八岐大蛇(ヤマタノオロチ)退治を題材にしたファンタジー作品。アメノハヤコマにまたがるスサノオとヤマタノオロチの空中戦は、日本アニメーション史上に残る名場面として高く評価されている。
監督(クレジットは「演出」):芹川有吾、原画監督:森康二、原画:古沢日出夫、熊川正雄、大塚康生、永沢詢、奥山玲子ほか
■ 友永 和秀(ともなが かずひで)
タイガープロ、OH!プロダクションなどを経て、現在もテレコム・アニメーションフィルムに在籍する超ベテランアニメーター。「マジンガーZ」(72〜74)から現在に至るまで、数々の作品で原画を担当。「宇宙戦艦ヤマト」(74〜75)の七色星団決戦や、『ルパン三世 カリオストロの城』(79)のフィアットの崖のぼりなどは、現在でも高く評価されている。「ルパン三世PARTⅣ 」(15〜16)では、総監督・絵コンテ・演出を務めた。
■ 16ミリ
映像用フィルムの規格。劇場作品などで使用される35mmに対して約半分のサイズ。機材も35mm用よりも小型・軽量のため、35mmの映画を16mmにプリントしたものが作られ、公共ホールや学校の施設や野外上映などの小規模な上映会などで利用された。また、フィルム撮影のTVドラマや低予算の映画などでも使用された。
■ 「宇宙戦艦ヤマト」
オフィス・アカデミーが制作し、1974~75年に全26話が放送されたTVアニメ。西暦2199年、地球は謎の敵・ガミラス帝国の攻撃により滅亡の危機に瀕していた。だが、外宇宙のイスカンダルからもたらされた情報を受け、秘密裏に建造されていた〈宇宙戦艦ヤマト〉は人類最後の希望を託され、14万8000光年の航海に挑む。
企画・原案・プロデューサー:西﨑義展、監督・設定デザイン:松本零士
■ 手塚 治虫(てづか おさむ)
「鉄腕アトム」、「ブラック・ジャック」、「火の鳥」など数多くの代表作を持ち、〈漫画の神さま〉と呼ばれた。1946年に「マアチャンの日記帳」(4コママンガ)でデビュー。1947年の描き下ろし単行本「新寶島」は大ヒットとなる。1950年からはマンガ雑誌において「ジャングル大帝」、「鉄腕アトム」、「リボンの騎士」などの作品を次々と発表する。アニメーションに興味を持っていたことから、東映動画(現・東映アニメーション)より 「ぼくの孫悟空」を原案とする長編アニメ映画『西遊記』(60)制作の企画打診がありこれに参加。1961年には自らアニメスタジオ「株式会社虫プロダクション」を立ち上げた。ここで、1963年から日本初の30分枠連続TVアニメ「鉄腕アトム」などの作品を制作。手塚氏はその後もマンガ家としても精力的に作品を発表し続けた。1989年逝去。 ※当サイト映像講座練馬のアニメスタジオの遺伝子 虫プロダクション編では、手塚治虫氏についても詳しく紹介しています。
■ フルアニメーション
《本来の動き》をきちんと描いて動かすアニメーション技法。これに対し部分的に動きを止めたりするなど誇張や制約を加えたアニメーション表現は「リミテッドアニメーション」と呼ばれる。
日本では作画枚数がフィルムのコマ数(24コマ/秒)と同数程度のものをフルアニメ、「作画枚数がフィル物コマ数の半程度以下、または口パクなど限られた部分しか動かさないものをリミッテドアニメと呼ぶ場合がある。
■ UPA
ユナイテッド・プロダクションズ・オブ・アメリカ(United Productions of America、UPA)のこと。1940年代~1970年代にかけて活動したアメリカのアニメーションスタジオ。
■ 『シンデレラ』
ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ制作の1950年本国公開の劇場用アニメ。日本公開は1952年。
原作:シャルル・ペロー、総監督:ベン・シャープスティーン、監督:ウィルフレッド・ジャクソン、ハミルトン・ラスク、クライド・ジェロニミ
■ 彦根 範夫(ひこね のりお)
アニメーター。イラストレーター。東映動画では『少年猿飛佐助』(59)、『西遊記』(60)、『安寿と厨子王丸』(61)で動画を、『わんわん忠臣蔵』(63)では原画を担当。「狼少年ケン」では作画監督も務めた。その後、虫プロダクションを経てフリーとなる。1971年公開の『どうぶつ宝島』ではオープニングアニメーションや原画を担当した。明治製菓のスナック菓子「カール」のCMキャラクター「カールおじさん」のキャラクターデザインでも知られている。
■  芹川 有吾(せりかわ ゆうご)
アニメーション演出家、脚本家、映画監督。映画会社・新東宝で助監督を務めていたが、東映動画(現・東映アニメーション)の劇場アニメーション『白蛇伝』(58)に感銘を受け、翌1959年に東映動画に演出助手として入社する。1963年に初めて監督(名義は「演出」)した『わんぱく王子の大蛇退治』は高く評価され、東映動画の中心的な演出家として、多数の劇場作品やTV作品を担当。1991年に定年退職した後も、フリーとして活動を続けた。
※芹川氏については、当サイト練馬のアニメスタジオの遺伝子 東映動画編でも紹介しています。
■ ライブアクション
アニメーション制作における手法のひとつ。実際に人間がキャラクターの動きを演じ、それを撮影したものを参考に作画すること。
■ マルチプレーン
マルチプレーン撮影台のこと。セルアニメの制作で使用されていた、特殊な撮影台とカメラを組み合わせたシステム。複数のセル画や背景画などを、カメラに対してそれぞれ異なった距離に配置し、それぞれを異なったスピードで動かすことができた。練馬区にある石神井公園ふるさと文化館には、実際に東映動画で使用されていたマルチプレーン撮影台が展示されている。 ※当サイトの練馬アニメトピックス 特集記事「ふるさと文化講座「東映アニメーションのマルチ撮影台」が開催されました」ではマルチプレーン撮影台について紹介しています。
■ 小山 礼司(こやま れいじ)
美術監督。主な担当作は『少年猿飛佐助』(59) 、『安寿と厨子王丸』(61)、『わんぱく王子の大蛇退治』(63)、『少年ジャックと魔法使い』(67)、『アンデルセン物語』(68)など
■ 『サイボーグ009 怪獣戦争』
東映動画が制作した1967年公開の劇場用アニメ。原作マンガ「サイボーグ009」の一編「地底帝国ヨミ」編を原案としている。
原作:石ノ森章太郎、監督(クレジットは「演出」):芹川有吾、原画監督:木村圭市郎、原画:若林哲弘、高橋信也、椛島義夫、上林栄司、森下圭介、大橋学
■ 『ちびっ子レミと名犬カピ』
東映動画が制作し、1970年に公開された劇場用アニメ。
監督(クレジットは「演出」):芹川有吾、原画監督:大工原章、原画:森康二、喜多真佐武、小田克也、木野達児、円山智、小川朋弘
■ ポニーの花園
漫画家・横山光輝氏による同名マンガを原作として東映動画が制作し、1966〜68年まで全109話が放送されたTVアニメ「魔法使いサリー」の第60話「ポニーの花園」のこと。外国からの転校生・ポニーに対する仲間はずれの問題を魔法使いのサリーが魔法を使わずに解決していくストーリーで、演出を芹川有吾氏、脚本を辻真先氏が担当した。
ここまで語れなかったが、そのほか着目すべきスタッフとその代表作品

■ 大工原 章(だいくはら あきら)
アニメーター。東映動画草創期から、主要スタッフとして劇場用長編アニメ映画の制作に携わる。代表作品は『白蛇伝』(58)、『少年猿飛佐助』(59)、『アラビアンナイト シンドバッドの冒険』(62)など。
■ 『少年猿飛佐助』
東映動画が制作した1959年公開の劇場用アニメ。 原作:檀一雄、監督(クレジットは「演出」):薮下泰司、大工原章、原画:大工原章、古沢日出夫、大塚康生、森康二、熊川正雄
■ 『わんわん忠臣蔵』
東映動画が制作した1963年公開の劇場用アニメ。 監督(クレジットは「演出」):白川大作、原画監督:大工原章、原画:熊川正雄、森康二、楠部大吉郎、奥山玲子、喜多真佐武、勝井千賀雄、彦根範夫、小田部洋一
■ 『白蛇伝』
日本で最初に作られた劇場用長編アニメーション。東映動画が制作し、1958年に公開された。白蛇の化身・白娘(パイニャン)と、その恋人・許仙(シュウセン)の愛を綴る中国の民話「白蛇伝」をベースとした物語。
原案:上原信、監督(クレジットは「演出」)・脚本:藪下泰司、原画:大工原章、森康二、動画:大塚康生、坂本雄作、喜多真佐武、紺野修司、中村和子ほか
■ 森さん
アニメーター・作画監督の森 康二(もり やすじ)さんのこと。1955年、日動映画株式会社へ入社。「黒いきこりと白いきこり」(56)の脚色、キャラクター・デザイン、原画を担当。東映動画発足当初から参加。作画部門において指導的な役割を果たし、大塚康生氏、彦根のりお氏、奥山玲子氏、高畑勲氏、月岡貞夫氏、中村和子氏、小田部羊一氏、宮崎駿氏、永沢詢氏、杉井ギサブロー氏など多くの人材を育成した。代表作品は『わんぱく王子の大蛇退治』(63)、『長靴をはいた猫』(69)、TVアニメ「ハッスルパンチ」(65~66)など。
■  「くまの子ジャッキー」
「シートン動物記 くまの子ジャッキー」のこと。日本アニメーションが制作し、1977年に全26話が放送されたTVアニメ。アメリカの博物学者・シートンの著作「シートン動物記」の一遍「グリズリー・ジャック」を原作としている。
原作:アーネスト・トンプソン・シートン、監督:黒田昌郎、キャラクターデザイン:森やすじ、作画監督:小川隆雄、辻伸一
■ 『どうぶつ宝島』
東映動画が制作した1971年公開の劇場用アニメ。ロバート・ルイス・スティーヴンソンの海洋冒険小説「宝島」を大幅に脚色し、主人公・ジム、ヒロイン・キャシー、赤ん坊のバブの3人以外のキャラクターは、すべて動物にアレンジされている。東映創立20周年記念作品。 原作:ロバート・ルイス・スティーヴンソン(「宝島」)、監督(クレジットは「演出」):池田宏、脚本:飯島敬、池田宏、作画監督:森康二、アイデア構成:宮崎駿、原画:小田部羊一、奥山玲子ほか ※当サイトでは、氷川竜介さんも出演した『どうぶつ宝島』を語りつくすトークイベント「このアニメはすごい!」のレポートを掲載しています。
■ 『長靴をはいた猫』
東映動画が制作した1969年『東映まんがまつり』のうちの一作として公開された劇場用長編アニメ。 原作:シャルル・ペロー、監督(クレジットは「演出」):矢吹公郎、脚本:井上ひさし、山元護久、作画監督:森康二、原画:大塚康生、奥山玲子、小田部羊一、宮崎駿、大工原章ほか
■ ピーコック劇場
NET(現・テレビ朝日)で1963~65年まで放送されていたアニメーション映画放送枠。1本のアニメーション映画を3~4週に分けて放送していた。
■ 児玉 喬夫(こだま たかお)
アニメーター・演出家。東映動画では『少年猿飛佐助』(59)、『西遊記』(60)、『わんぱく王子の大蛇退治』(63)などで動画を担当、『わんわん忠臣蔵』(63)ではタイトルアニメーションを手がけた。
■  『パンダコパンダ』
1972年12月の東宝チャンピオンまつりで公開された劇場用中編アニメ。当時のパンダブームを受けて東京ムービー(現・トムス・エンタテインメント)が制作した。のちの『となりのトトロ』(88)の原型とも評される作品。竹林の中にある家で暮らす少女・ミミ子のもとに、小さなパンダの子・パンと、そのお父さん・パパンダが現れる。3人は家族として一緒に暮らし始めるが、ミミ子がパンを学校に連れていった事で騒動が起こる。翌年には続編『パンダコパンダ 雨ふりサーカスの巻』も公開された。
監督:高畑勲、原画・原案・脚本・画面設定:宮崎駿、作画監督:大塚康生、小田部洋一
■ トトロ
『となりのトトロ』のこと。スタジオジブリが制作した、1988年に公開された劇場用アニメ。同時上映は高畑勲監督の『火垂るの墓』。サツキとメイの姉妹は、母の療養のため、父と一緒に田舎へ引っ越して来た。ある日、1人で遊んでいたメイは、森の中に迷い込み、不思議な生き物〈トトロ〉に出会う。
原作・脚本・監督:宮崎駿、作画監督:佐藤好春
■ 『AKIRA』
東京ムービー新社(現 トムス・エンタテインメント)が制作し、1988年に公開された劇場用アニメ。原作は大友克洋氏の同名マンガ。
原作・監督・キャラクターデザイン:大友克洋、作画監督:なかむらたかし
■ 攻殻機動隊
Production I.G が制作し、1995年に公開された劇場用アニメ『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』のこと。原作は士郎正宗氏の同名マンガ。
原作:士郎正宗、監督・絵コンテ:押井守、キャラクターデザイン:沖浦啓之、作画監督:黄瀬和哉、沖浦啓之
■  『パプリカ』
2006年に公開された、今 敏監督による劇場用アニメ映画4作目。アニメーション制作はマッドハウス。 原作は、現実と夢が交錯する幻想的な世界が広がる筒井康隆氏の同名SF小説。筒井作品のファンでもある今 敏監督が、緻密で豪華な映像美とトリッキーな場面転換で、難しいとされてきた本作の映像化を現実のものとした。ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門への正式出品や、東京国際映画祭animecs TIFF 2006 × digital TIFF 共同オープニング作品として上映されるなど国内外で話題となり、多数の映画賞を受賞。
監督・脚本:今 敏、キャラクターデザイン・作画監督:安藤雅司
■ 人狼
Production I.Gが制作し、2000年に公開された劇場用アニメ『人狼 JIN-ROH』のこと。押井守氏と藤原カムイ氏によるマンガ「犬狼伝説」を原作としている。
原作・脚本:押井守、監督・絵コンテ:沖浦啓之、キャラクターデザイン:沖浦啓之、西尾鉄也、作画監督:西尾鉄也
■ 大友 克洋(おおとも かつひろ)
マンガ家、映画監督。1973年に漫画アクション掲載の短篇「銃声」で、マンガ家としてデビュー。代表作に「童夢」(80~81)、「AKIRA」(82~90)など。緻密な描き込みや複雑なパースを持つ画面構成などの作風は、世界中のクリエイターに大きな影響を与えた。1988年には自らが監督を務める劇場用アニメ映画『AKIRA』を制作。国内外で高い評価を得た。その後は、『MEMORIES』(総監督/95)、『スチームボーイ』(04)、『蟲師』(実写映画/07)など、アニメや実写など映像作品で活躍している。
■ ドン・ブルース
アメリカの映画プロデューサー、アニメーター、監督。『眠れる森の美女』(59 動画)動画、『王様の剣』(63)、『ロビン・フッド』(73原画)『ビアンカの大冒険』(77 作画監督)『ピートとドラゴン』(77 アニメーション監督)、『ロバと少年』(78 監督)、『リトルフット』(88 監督)、『アナスタシア』(97 監督)などの作品で知られる。
■ ドラマ 怪獣倶楽部
TVドラマ「怪獣倶楽部〜空想特撮青春記〜」のこと。2017年に全4話が放送された。実在した怪獣映画研究の同人団体「怪獣倶楽部」を基に展開される青春ストーリー。「怪獣倶楽部」には当時高校2年生だった氷川竜介氏も所属していた。
■ 小田部 羊一(こたべ よういち)
アニメーター、キャラクターデザイナー。1959年に東映動画へ入社。アニメーターとして森康二、大工原章、楠部大吉郎の下で経験を積み、『少年猿飛佐助』『わんぱく王子の大蛇退治』などの作品に携わる。
1971年に高畑勲、宮崎駿と共にAプロダクションへ移籍。後にズイヨー映像(のちの日本アニメーション)へ移籍し、「アルプスの少女ハイジ」(74)や「母をたずねて三千里」(76)のキャラクターデザイン・作画監督を務めた。その後はフリーランスとしてさまざまな作品に参加している。1985年からは、任天堂開発部に勤務し、「スーパーマリオブラザース」シリーズや「ポケットモンスター」シリーズなどの制作にも関わった。現在も大学の講師を務めるなど、精力的に活動中。
※当サイト「練馬ほっとキャスト」第1回第2回のゲストとして登場。
■ 奥山 玲子(おくやま れいこ)
アニメーター。東映動画の第一作目『白蛇伝』(58)で動画としてキャリアをスタート。『アラビアンナイト シンドバッドの冒険』(62)からは原画を担当するようになる。『海底3万マイル』(70)からは作画監督も務め、数々の作品で活躍する。東映動画在籍中に、小田部羊一氏と結婚。東映動画退社後の1976年には小田部氏がキャラクターデザイン・作画監督を務める「母をたずねて三千里」で作画監督補佐を務めた。以後も『じゃりン子チエ』(81)、『火垂るの墓』(88)などの作品で活躍。2007年逝去。2019年4月から放送のNHK朝の連続テレビ小説「なつぞら」では、主人公のモデルの一人とされている。
■ 大塚さん
アニメーター・大塚 康生(おおつか やすお)氏のこと。東映動画、Aプロダクション、日本アニメーション、テレコム・アニメーション・フィルムの各社で数々の名作を手がけた。代表作は『太陽の王子 ホルスの大冒険』(68)、「ルパン三世(1stTVシリーズ)」(71~72)、「未来少年コナン」(78)、『ルパン三世 カリオストロの城』(79)など。
■ 「狼少年ケン」
1963〜65年に全86話が放送されたTVアニメ。アニメーション制作の東映動画(現・東映アニメーション)は、本作で初めて30分枠の連続TVアニメを手がけた。高畑氏も各話演出で参加している。
アフリカのジャングルで狼に育てられた少年・ケン。ケンは狼の子ども・チッチとポッポや動物の仲間たちとともにジャングルの平和を守る。
原作・キャラクターデザイン・演出:月岡貞夫(原作は「大野寛夫」名義)、演出:矢吹公郎、高畑勲、池田宏、白川大作、藪下泰次、勝間田具治、芹川有吾ほか
■ 中村 和子(なかむら かずこ)
アニメーター。東映動画の『白蛇伝』(58)より動画として参加。その後、虫プロダクションへ移籍し「鉄腕アトム」(63〜66)、「リボンの騎士」(67〜68)などの作画監督を担当。
■ 「リボンの騎士」
虫プロダクションが制作し、1967~68年に全52回が放送されたTVアニメ。手塚治虫氏の同名マンガが原作。
原作・総監督:手塚治虫、作画監督:宮本貞雄、中村和子
■ 「W3」(ワンダー3)
手塚治虫の同名SFマンガを原作として、虫プロダクションが制作したTVアニメ。1965~66年に全56回(全52話+リピート放送4回)が放送された。
原作・総監督:手塚治虫、作画監督:中村和子
■ 「マジンガーZ」
東映動画が制作し、1972~74年に全92話が放送されたTVアニメ。原作を担当した永井豪氏の「デビルマン」とクロスオーバーした『マジンガーZ対デビルマン』(73)や、『マジンガーZ対暗黒大将軍』(74)などの劇場用アニメも制作された。
原作:永井豪とダイナミックプロ、演出:芹川有吾、勝田稔男、大貫信夫、勝間田具治ほか、作画監督:羽根章悦、落合正宗、中村一夫、上村栄司、森下圭介、奥山玲子ほか
■ 大川 博(おおかわ ひろし)
東映動画(現・東映アニメーション)初代社長兼映画会社東映の社長。1956年に東映動画を創立した。
※当サイト映像講座「練馬のアニメスタジオの遺伝子」東映動画編 前編で大川博氏について詳しく取り上げています。
■ 「鉄腕アトム」
虫プロダクション(旧)が制作し、1963~66年まで全193話が放送されたTVアニメ。日本初の30分枠連続TVアニメでもある。手塚治虫氏の同名マンガが原作。アトムは天馬博士が交通事故で死亡した息子のかわりとしてつくったロボット。御茶ノ水博士に引き取られ、人間のように心を持ったロボットへと成長していく。
原作・演出:手塚治虫、演出:杉井ギサブロー、山本暎一、富野由悠季、出﨑統ほか
■ ジブリ
スタジオジブリのこと。『天空の城ラピュタ』制作時の1985年に、『風の谷のナウシカ』を製作した出版社・徳間書店が中心となり設立したアニメーション・スタジオ。以後、高畑勲・宮崎駿両監督の劇場用アニメ映画を中心に製作してきた。当初は作品ごとにスタッフを集め、完成と共に解散する制作スタイルだったが、後に人材育成のためにアニメーターを正社員化・固定給制にするなど、高品質で安定した作品作りの拠点となった。
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