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練馬ほっと・キャスト 特別企画 練馬にいた! アニメの巨人たち

練馬区ゆかりのアニメクリエイターと、その作品の魅力を探る「練馬にいた!アニメの巨人たち」。
アニメ研究家の氷川竜介さんとアニメ史研究家の原口正宏さんが、そのクリエイターの魅力についてたっぷり語ります。

  • アニメ研究家 氷川竜介さん
  • アニメ史研究家 原口正宏さん

第18回 東映動画初期劇場作品を作った人々 その1

第18回から第20回まで3回にわたって取り上げるのは、《東映動画初期劇場作品を作った人々》です。
ひとりのクリエイターを取り上げてその作品の魅力を探ってきた「練馬にいたアニメの巨人たち」ですが、今回は視点を変え、日本の商業アニメーションの黎明期に活躍した東映動画のスタッフに着目していきます。
2019年4月より放送が始まるNHK朝の連続テレビ小説『なつぞら』は、商業アニメーションの黎明期に活躍した女性アニメーターが主人公。当時の東映動画のスタッフをモデルとしたキャラクターも数多く登場するようです。
今回は、このドラマ開始直前ということもあり、日本最初のアニメーション映画『白蛇伝』(58)から1970年前後までの約15年間の間に作られた劇場映画と、作品に携わったクリエイターを取り上げていきたいと思います。
東映動画(現・東映アニメーション)は1956年に発足。翌1957年には練馬区東大泉にスタジオも完成し、大泉の地でアニメーション制作をスタートさせました。

※以下の画像と解説をご覧になりながらお聞きください。
また、今回の内容には、紹介する作品のネタバレも含みます。ご注意ください。
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なお、OSのバージョンや機種によっては、再生できない場合がございます。

収録のようすと用語解説

「動き」の点で、初期東映動画を代表する劇場作品とその作品で注目すべきアニメーター

■ 東映動画(現・東映アニメーション)
1956年に練馬区大泉に設立された、60年の歴史を持つアニメーション制作会社。当初の制作体制は、「動きで表現することを大事にする」ことを特徴とした劇場作品を、1年間に1本のペースで製作・公開していた。1963年からはTVアニメの制作もスタート。以降現在に至るまで、「ドラゴンボール」シリーズ、「デジモン」シリーズ、「ONE PIECE」シリーズ、「プリキュア」シリーズなど、数多くの劇場作品、TVシリーズを発表し続けている。 ※その設立から初期のスタッフについては、当サイト練馬のアニメスタジオの遺伝子 東映動画編で詳しく紹介しています
■ 『わんぱく王子の大蛇(おろち)退治』
東映動画が制作した1963年公開の劇場用アニメ。日本神話の天岩戸(あまのいわと)や八岐大蛇(ヤマタノオロチ)退治を題材にしたファンタジー作品。アメノハヤコマにまたがるスサノオとヤマタノオロチの空中戦は、日本アニメーション史上に残る名場面として高く評価されている。
監督(クレジットは「演出」):芹川有吾、原画監督:森康二、原画:古沢日出夫、熊川正雄、大塚康生、永沢詢、奥山玲子ほか
■ 『西遊記』
東映動画が制作した1960年公開の劇場用アニメ。手塚治虫氏「ぼくの孫悟空」が原案。
監督(クレジットは「演出」):藪下泰司、手塚治虫、白川大作、原画:森康二、大塚康生、熊川正雄、大工原章、古沢日出夫
■  森 康二(もり やすじ)
アニメーター・作画監督。1955年、日動映画株式会社へ入社。「黒いきこりと白いきこり」(56)の脚色、キャラクター・デザイン、原画を担当。東映動画発足当初から参加。作画部門において指導的な役割を果たし、大塚康生氏、彦根のりお氏、奥山玲子氏、高畑勲氏、月岡貞夫氏、中村和子氏、小田部羊一氏、宮崎駿氏、永沢詢氏、杉井ギサブロー氏など多くの人材を育成した。
代表作品は『わんぱく王子の大蛇退治』(63)、『長靴をはいた猫』(69)、TVアニメ「ハッスルパンチ」(65~66)など。
■ スタジオジブリ
『天空の城ラピュタ』制作時の1985年に、『風の谷のナウシカ』を製作した出版社・徳間書店が中心となり設立したアニメーション・スタジオ。以後、高畑勲・宮崎駿両監督の劇場用アニメ映画を中心に製作してきた。当初は作品ごとにスタッフを集め、完成と共に解散する制作スタイルだったが、後に人材育成のためにアニメーターを正社員化・固定給制にするなど、高品質で安定した作品作りの拠点となった。
■ 高畑 勲(たかはた いさお)
アニメーション映画監督。1959年に東映動画(現・東映アニメーション)へ入社。TVアニメ「狼少年ケン」(63~65)で初めて演出を手がけ、『太陽の王子 ホルスの大冒険』(68)で劇場アニメ映画監督デビューを果たす。同僚だった宮崎駿氏とAプロダクション、ズイヨー映像(のちの日本アニメーション)と移籍し、TVアニメ「アルプスの少女ハイジ」(74)、「母をたずねて三千里」(76)、「赤毛のアン」(79)などを演出・監督する。その後、スタジオジブリの設立に参加し、『火垂るの墓』(88)、『おもひでぽろぽろ』(91)、『かぐや姫の物語』(13)など数々の作品を監督した。2018年逝去。
■ リミテッド
リミテッドアニメーションのこと。《本来の動き》をきちんと描いて動かす「フルアニメーション」に対し、部分的に動きを止めたりするなど誇張や制約を加えたアニメーション表現を「リミテッドアニメーション」と呼ぶ。日本では、作画枚数がフィルムのコマ数(24コマ/秒)と同数程度のものをフルアニメ、「作画枚数がフィルムのコマ数の半分程度以下、または口パクなど限られた部分しか動かさないものをリミテッドアニメといわれている。
■ アンクルトリス
サントリーのウイスキー「トリス」のキャラクターで1958年に誕生した「アンクルトリス」を使ったCMのこと。「アンクルトリス」はアニメで表現されている。
■ 『ザ・ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』
2014年に公開された、アイルランドの長編アニメーション映画。日本では2016年に公開。アイルランドに伝わる妖精、セルキーの母親と人間の父親の間に生まれた兄妹の冒険が描かれる。
監督・原案:トム・ムーア、脚本:ウィル・コリンズ
■ 『白蛇伝』
日本で最初に作られた劇場用長編アニメーション。東映動画が制作し、1958年に公開された。白蛇の化身・白娘(パイニャン)と、その恋人・許仙(シュウセン)の愛を綴る中国の民話「白蛇伝」をベースとした物語。
原案:上原信、監督(クレジットは「演出」)・脚本:藪下泰司、原画:大工原章、森康二、動画:大塚康生、坂本雄作、喜多真佐武、紺野修司、中村和子ほか
■ 大工原 章(だいくはら あきら)
アニメーター。東映動画草創期から、主要スタッフとして劇場用長編アニメ映画の制作に携わる。代表作品は『白蛇伝』(58)、『少年猿飛佐助』(59)、『アラビアンナイト シンドバッドの冒険』(62)など。
■ 『少年猿飛佐助』
東映動画が制作した1959年公開の劇場用アニメ。
原作:檀一雄、監督(クレジットは「演出」):薮下泰司、大工原章、原画:大工原章、古沢日出夫、大塚康生、森康二、熊川正雄
■ 手塚 治虫(てづか おさむ)
「鉄腕アトム」、「ブラック・ジャック」、「火の鳥」など数多くの代表作を持ち、〈漫画の神さま〉と呼ばれた。1946年に「マアチャンの日記帳」(4コママンガ)でデビュー。1947年の描き下ろし単行本「新寶島」は大ヒットとなる。1950年からはマンガ雑誌において「ジャングル大帝」、「鉄腕アトム」、「リボンの騎士」などの作品を次々と発表する。アニメーションに興味を持っていたことから、東映動画(現・東映アニメーション)より 「ぼくの孫悟空」を原案とする長編アニメ映画『西遊記』(60)制作の企画打診がありこれに参加。1961年には自らアニメスタジオ「株式会社虫プロダクション」を立ち上げた。ここで、1963年から日本初の30分枠連続TVアニメ「鉄腕アトム」などの作品を制作。手塚氏はその後もマンガ家としても精力的に作品を発表し続けた。1989年逝去。
※当サイト練馬のアニメスタジオの遺伝子 虫プロダクション編でも詳しく紹介しています。
■ 虫プロ
アニメーション制作会社・虫プロダクションの通称。1961年にマンガ家でアニメーターでもあった手塚治虫が設立し、1973年まで活動したアニメスタジオ「株式会社虫プロダクション」(旧)と、1977年に旧虫プロの労働組合を母体として設立された「虫プロダクション株式会社」(新)がある。ここでは虫プロダクション(旧)を指す。 虫プロダクション(旧)には、丸山正雄氏をはじめ、出﨑統氏、芦田豊雄氏、川尻善昭氏、杉井ギサブロー氏、高橋良輔氏、富野由悠季氏、安彦良和氏、吉川惣司氏などが在籍していた。この虫プロダクション(旧)で、1963年に制作された日本初の30分枠連続TVアニメ「鉄腕アトム」は、日本のアニメビジネスの先駆けとなった。
※当サイト練馬のアニメスタジオの遺伝子 虫プロダクション編でも詳しく紹介しています。
■ 『安寿と厨子王丸』
東映動画が制作した1961年公開の劇場用アニメ。東映創立10周年記念作品。
原作は中世より伝わる「安寿と厨子王丸」という姉弟の物語。人物モデルに演技を行わせ、その実写フィルムを下敷きに、アニメーション作画を行う「ライブ・アクション方式」が一部採用されている。
監督(クレジットは「演出」):藪下泰司、芹川有吾(クレジットは「演出」名義)、脚本:田中澄江、原画:大工原章、大塚康生、森康二、楠部大吉郎ほか 動画:奥山玲子、永沢詢ほか
■ 日動映画
東映動画の前進となる会社。1948年日本動画株式会社として東京都新宿区原町に設立、アニメ製作を開始。1952年日動映画株式会社へ商号変更した。
■ 『黒いきこりと白いきこり』
日動映画が制作した1956年に公開の短編教育アニメ。
原作:浜田広介、演出:藪下泰司、脚本(脚色):森康二、原画:森康二、熊川正雄、動画:大工原章、市野正二、長沼寿美子、進藤進、内山孝、寺千賀雄
■  ホルス
東映動画が制作した1968年公開の劇場用アニメ『太陽の王子 ホルスの大冒険』のこと。海辺に父と二人で住む少年・ホルスは、岩男モーグの肩に刺さっていた「太陽の剣」を手に入れる。やがて父が亡くなり、遺言に従ってホルスは北の村に向かって船出した。旅の途中、悪魔グルンワルドに「弟になれ」と誘われるが断り、ホルスは崖から突き落とされる。流氷に乗って北の村に流れ着いたホルスは、村の一員として受け入れられるが、グルンワルドは少女・ヒルダを村に送りこむ。
監督(クレジットは「演出」):高畑勲、作画監督:大塚康生、場面設計・美術設計:宮崎駿、原画:森康二、太田朱美、奥山玲子ほか
■ 月岡さん
アニメーション作家・月岡貞夫(つきおか さだお)氏のこと。高校卒業後、マンガ家・手塚治虫のアシスタントとなる。手塚氏の意向で東映動画(現・東映アニメーション)のアニメ映画『西遊記』(60)の制作に参加。この間に東映動画に入社する。自らが企画したTVアニメ「狼少年ケン」(63~65)の放送初期には、演出・原画・動画まですべて一人でこなすという「天才アニメーター」ぶりを発揮した。その後東映動画を退社し、虫プロで「W3(ワンダースリー)」(65〜66)や「悟空の大冒険」(67)などに関わった。日本大学芸術学部の映画学科の講師も務めた。
■ 石森さん
萬画(まんが)家、石ノ森章太郎(いしのもり しょうたろう)氏のこと。SFマンガから学習マンガまで幅広い分野で作品を量産し、「漫画の王様」、「漫画の帝王」と評された。多様なマンガ表現を追求し、無限の可能性を表す言葉「萬画」を提唱した。主な代表作は「サイボーグ009」、「仮面ライダー」、「さるとびエッちゃん」、「人造人間キカイダー」、「HOTEL」など。仮面ライダーシリーズを始め、特撮作品の原作者としても活躍した。
■ 白川さん
東映動画の最初期の演出家、白川大作(しらかわ だいさく)氏のこと。後に企画課長として様々な作品を手がける。1958年、東映株式会社に入社。動画部企画課所属になり、『白蛇伝』(58)で進行助手として参加。『西遊記』(60)、『わんわん忠臣蔵』(63)では演出を担当。
■ 杉井 ギサブロー(すぎい ぎさぶろう)
アニメーション監督。1958年に東映動画に入社。大塚康生氏の元で、アニメーターとして『白蛇伝』(58)に参加。後に虫プロダクション(旧)に移籍し「鉄腕アトム」(63~66)で演出も手掛ける。1969年にグループ・タックを設立した。総監督を務めたTVアニメ「タッチ」(85~87)は大ヒットした。
■ 永沢 詢(ながさわ まこと)
アニメーター。1958年、学習院大学在学中から東映動画で活動を開始。『もぐらのモトロ』(62)、『わんぱく王子の大蛇退治』(63)、『ガリバーの宇宙旅行』(65)等に原画として参加。『わんぱく王子の大蛇退治』ではキャラクター原案を担当。
■ 『ガリバーの宇宙旅行』
東映動画が製作した1965年公開の劇場用アニメ。
監督(クレジットは「演出」):黒田昌郎、脚本:関沢新一、原画監督:古沢日出夫、原画:大塚康生、永沢詢、月岡貞夫、森康二ほか
■ 「宇宙パトロールホッパ」
東映動画が制作し、1965年に全44話が放送されたTVアニメ。第32話からは「パトロール・ホッパ 宇宙っ子ジュン」と改題された。
演出:藪下泰司、山本寛巳、小山礼司、黒田昌郎ほか、キャラクターデザイン・作画監修:森康二、作画監督:熊川正雄、菊池貞雄ほか
■ ながねこ
東映動画が制作した1969年公開の劇場用アニメ『長靴をはいた猫』のこと。同年の『東映まんがまつり』のうちの一作として公開された。
原作:シャルル・ペロー、監督(クレジットは「演出」):矢吹公郎、脚本:井上ひさし、山元護久、作画監督:森康二、原画:大塚康生、奥山玲子、小田部羊一、宮崎駿、大工原章ほか
■ 『どうぶつ宝島』
東映動画が制作した1971年公開の劇場用アニメ。ロバート・ルイス・スティーヴンソンの海洋冒険小説「宝島」を大幅に脚色し、主人公・ジム、ヒロイン・キャシー、赤ん坊のバブの3人以外のキャラクターは、すべて動物にアレンジされている。東映創立20周年記念作品。
原作:ロバート・ルイス・スティーヴンソン(「宝島」)、監督(クレジットは「演出」):池田宏、脚本:飯島敬、池田宏、作画監督:森康二、アイデア構成:宮崎駿、原画:小田部羊一、奥山玲子ほか
※当サイトでは、氷川竜介さんも出演した『どうぶつ宝島』を語りつくすトークイベント「このアニメはすごい!」のレポートを掲載しています。
「演出」の点で、初期東映動画を代表する劇場作品と演出家(監督)

■ 矢吹 公郎(やぶき きみお)
アニメーション演出家・監督。1958年、大学卒業とともに東映京都撮影所に入社。1962年、東映動画演出部へ転属。 TVアニメ「狼少年ケン」(63~65)の第7話ではじめて演出を手がける。
代表作は「ひみつのアッコちゃん」(69~70)、「タイガーマスク」(69~71)など。監督作品としては映画『長靴をはいた猫』(68)が著名。
■ 芹川 有吾(せりかわ ゆうご)/dt>
アニメーション演出家、脚本家、映画監督。映画会社・新東宝で助監督を務めていたが、東映動画(現・東映アニメーション)の劇場アニメーション『白蛇伝』(58)に感銘を受け、翌1959年に東映動画に演出助手として入社する。1963年に初めて監督(名義は「演出」)した『わんぱく王子の大蛇退治』は高く評価され、東映動画の中心的な演出家として、「サイボーグ009」ほか多数の劇場作品やTV作品を担当。1991年に定年退職した後も、フリーとして活動を続けた。
※芹川氏については、当サイト練馬のアニメスタジオの遺伝子 東映動画編でも紹介しています。
■ 大塚さん
アニメーター・大塚 康生(おおつか やすお)氏のこと。東映動画、Aプロダクション、日本アニメーション、テレコム・アニメーション・フィルムの各社で数々の名作を手がけた。代表作は『太陽の王子 ホルスの大冒険』(68)、「ルパン三世(1stTVシリーズ)」(71~72)、「未来少年コナン」(78)、『ルパン三世 カリオストロの城』(79)など。
■ 藪下 泰司(やぶした たいじ)
アニメーション映画監督・演出家・企画者。1948年日本動画株式会社で、初めてアニメーション作品の制作に参加。 1958年に日本初の長編カラーアニメーション映画『白蛇伝』の演出を務める。
以後、『少年猿飛佐助』(59)、『西遊記』(60)、『安寿と厨子王丸』(61)など東映動画初期劇場作品の演出を数多く担当。
■ 池田 宏(いけだ ひろし)
アニメーション映画監督。東映動画在籍中に日本大学芸術学部に非常勤講師として「アニメーション」講座を担当。東映動画退社後は、任天堂に入社しゲームソフトの開発に携わる。代表作に『空飛ぶゆうれい船』(69)、『どうぶつ宝島』(71)など。
■ 黒田 昌郎(くろだ よしお)
アニメーション演出家。東映動画で「狼少年ケン」(63~65)、『ガリバーの宇宙旅行』(65)、「ゲゲゲの鬼太郎」(68~69)、『タイガーマスク ふく面リーグ戦』(70)などを手がける。その後、日本アニメーションで「フランダースの犬」(75)、「家族ロビンソン漂流記 ふしぎな島のフローネ」(81)、「ピーターパンの冒険」(89)などを監督している。
■ 『アンデルセン物語』
東映動画製作の1968年公開の劇場用アニメ。
原作:ハンス・クリスチャン・アンデルセン、監督(クレジットは「演出」):矢吹公郎、脚本:井上ひさし、山元護久、作画監督:大工原章、原画:竹内留吉ほか
■ 「一休さん」
東映動画が制作し、1975~1982年まで全296話が放送されたTVアニメ。室町時代に実在した僧・一休宗純の子供時代の説話などを基にしており、主人公・一休さんが〈とんち〉を使ってさまざまな事件や難題を解決していくストーリーとなっている。「ポクポクポクチーン」は、一休さんが〈とんち〉をひらめく際にながれる木魚と仏鈴を使った効果音。
チーフディレクター:矢吹公郎、キャラクターデザイン:我妻宏、作画監督:端名貴勇、石黒育、荒木伸吾、山口泰弘ほか
■ 千蔵さん
編集技師・千蔵豊(ちくら ゆたか)氏のこと。数多くの東映動画初期劇場作品に携わる。主な担当作は映画『サイボーグ009 』(66) 、『サイボーグ009 怪獣戦争』(67)、『少年ジャックと魔法使い』(67)、『太陽の王子 ホルスの大冒険』(68)、『アンデルセン物語』(68)、『長靴をはいた猫』(69)、『ちびっ子レミと名犬カピ』(70)、『マジンガーZ対暗黒大将軍』(74)など。
■ 有賀さん
東映動画のプロデューサー・有賀健(ありが けん)氏のこと。東映動画でTVアニメ「マジンガーZ」(72~74)、「UFOロボ グレンダイザー」(75~77)といった世界的なヒット作を企画。西沢信孝監督の映画『マジンガーZ対暗黒大将軍』(74)にも携わった。
■ 宇野 誠一郎(うの せいいちろう)
作曲家、作詞家。NHKなどで単発ラジオ番組の伴奏音楽を数多く手がけたのち、同じくNHKテレビ人形劇『チロリン村とくるみの木』(56~64)を担当。東映動画の劇場用アニメ『少年ジャックと魔法使い』(67)では毎日映画コンクール音楽賞を受賞している。
■ 細田 守(ほそだ まもる)
アニメーション監督。1991年に東映動画(現・東映アニメーション)に入社し、アニメーターとしてキャリアをスタートさせる。1996年に社内で演出採用試験が初めて実施されこれに合格。翌年、TVアニメ「ゲゲゲの鬼太郎(第4シリーズ)」(96~98)で演出家としてデビューした。1999年には『劇場版デジモンアドベンチャー』の監督に抜擢され、2000年の『劇場版デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』で大きな注目を集めた。東映アニメーションを退社後、マッドハウスで『時をかける少女』(06)を監督し大ヒット。国内外の映画・アニメ賞など23冠を受賞した。続いて、自身初となるオリジナル作品『サマーウォーズ』(09)を発表。123万人を超える観客動員数を記録する。2011年にアニメーション映画制作会社〈スタジオ地図〉を設立。『おおかみこどもの雨と雪』(11)、『バケモノの子』(15)、『未来のミライ』(18)と、ヒット作を生み出し続けている。 ※練馬にいた!アニメの巨人たち第12回第13回第14回では、細田守監督をとりあげています。
■ 『サマーウォーズ』
2009年に公開された、細田守監督による劇場作品。アニメーション制作はマッドハウス。
高校2年生の小磯健二は、夏休みに憧れの先輩・夏希に連れられ、長野にある彼女の実家へ向かう。そこには曽祖母・栄の90歳の誕生日を祝うべく26人の親族が集まっていた。時を同じくして、世界中を混乱に陥れる事件が発生。栄の指揮の元、健二と夏希は親族と共に事件に立ち向かう。
監督:細田守、キャラクターデザイン:貞本義行、作画監督:青山浩行、藤田しげる、濱田邦彦、尾崎和孝
■ 西山 茂(にしやま しげる)
編集技師。前述の編集技師、千蔵豊氏を師匠に持つ。東映動画(東映アニメーション)作品で「SLAM DUNK」(93~96)、「ふしぎ魔法ファンファンファーマシィー」(98~99)、劇場版『遊☆戯☆王』(99)などの編集を担当。『時をかける少女』(06)、『サマーウォーズ』(09)、『おおかみこどもの雨と雪』(12)、『未来のミライ』(18)など細田守監督作品の編集を手がけていることでも知られている。
■ コンダクター
オーケストラの指揮者のこと。
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