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練馬ほっと・キャスト 特別企画 練馬にいた! アニメの巨人たち
練馬区ゆかりのアニメクリエイターと、その作品の魅力を探る練馬アニメーションサイト新企画「練馬にいた!アニメの巨人たち」。
アニメ研究家の氷川竜介さんとアニメ史研究家の原口正宏さんが、そのクリエイターの魅力についてたっぷり語ります。
第8回 出﨑 統さん(アニメーション監督)その4
第8回も引き続き、日本アニメ界に偉大な足跡を残した、アニメーション監督の出﨑統さんです。
第5回 出﨑 統さん(アニメーション監督)その1 はこちら
第6回 出﨑 統さん(アニメーション監督)その2 はこちら
第7回 出﨑 統さん(アニメーション監督)その3 はこちら
出﨑統監督は1963年に練馬区富士見台の虫プロダクションでキャリアをスタート。1970年のTVシリーズ「あしたのジョー」で初監督をつとめます。 《出﨑演出》とよばれる個性的な演出手法を生み出した事でも知られ、数多くのアニメ関係者に影響を与えました。 2011年に67歳で亡くなるまでに「エースをねらえ!」、「ガンバの冒険」、「家なき子」、「宝島」、「ブラック・ジャック」など、テレビ、映画、OVAなど30タイトル以上を監督した、まさに日本アニメ界の【レジェンド】といえる存在です。
出﨑監督と関係の深かった、アニメーションプロデューサー丸山正雄氏からのメッセージ
出崎統を喪った時、手塚プロ社長の松谷さんの弔事に強い説得力を感じた。曰く「これからのアニメ界の人材育成にどんな機関がどんなに金をかけようと出崎統たったひとりの実績には敵わない」そのことはアニメを知っている人間なら誰もが認める事だ。それぐらい彼の存在は大きかった。彼は大人になることを拒否したのだと思う。永遠の少年、永遠の青春を選んだとしか思えない。これぞ出崎統の美学。
プロデューサー 丸山正雄
出﨑 統(でざき・おさむ)監督プロフィール
アニメーション監督。1943年東京都生まれ。学生時代には貸本マンガ家として作品を発表していた。1963年に虫プロダクションに入社。翌年には「鉄腕アトム」の原画担当になる。1970年のTVアニメ「あしたのジョー」で、初めて監督(チーフディレクター)を務める。1972年にはアニメ制作会社マッドハウスの設立に参加。TVアニメ「エースをねらえ!」(73-74)、「ガンバの冒険」(75)「家なき子」(77-78)、「宝島」(78-79)など多数の作品に関わる。1979年には完全新作の『劇場版 エースをねらえ!』で、長編映画を初監督した。1980年、TVアニメ「あしたのジョー2」制作を機にマッドハウスを離れ、スタジオあんなぷるを設立。『SPACE ADVENTURE コブラ』(82)、「スペースコブラ」(82)、『ゴルゴ13』(83)を発表した。「おにいさまへ・・・」(91)で手塚プロダクション制作作品に関わるようになり、1993年からOVA「ブラック・ジャック」を手掛ける。2000年代には美少女ゲームが原作の『AIR』、『CLANNAD』劇場版など、自らの新境地となる作品を監督した。2011年 逝去。
※以下の画像と解説をご覧になりながらお聞きください。
また、今回の内容には、紹介する作品のネタバレも含みます。ご注意ください。
収録のようすと用語解説
もっとも愛する出﨑作品
- ■ 「宝島」
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東京ムービー(現 トムス・エンタテインメント)が制作し、1978年〜1979年まで全26話が放送されたTVアニメ。伝説の海賊が遺した財宝が眠る〈宝島〉の地図を手にした少年・ジムは、宝島を捜す船に乗り込むことになる。その船でジムは料理番のジョン・シルバーに出会う。男としてスケールの大きいシルバーに敬意と憧れを抱いていくジム。だがシルバーこそ財宝を狙う海賊達のリーダーだった。 原作:ロバート・ルイス・スティーブンスン、演出:出﨑統、作画監督:杉野昭夫、美術監督:小林七郎、撮影監督:高橋宏固。
「宝島」
Blu-ray-BOX発売中
販売元:エイベックス・ピクチャーズ
©TMS - ■ ガンバ
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©斎藤惇夫/岩波書店・TMS
TVアニメ「ガンバの冒険」のこと。東京ムービー(現 トムス・エンタテインメント)が制作し、1975年に全26話が放送された。斎藤惇夫の児童文学作品「冒険者たち ガンバと15ひきの仲間」が原作。ねずみのガンバと仲間たちが、とある島を支配する白イタチ・ノロイを倒すため冒険の旅に出る。圧倒的な強さのノロイに、ガンバたちは勝てるのか⁉ 原作:斎藤惇夫、監督:出﨑統、キャラクターデザイン・作画監督:椛島義夫、美術監督:小林七郎。
※当サイトでは、練馬アニメカーニバルで行われた「放送40周年『ガンバの冒険 』 記念ステージ」のレポートと動画を掲載しています。
練馬アニメカーニバル2015 レポート - ■ 「あしたのジョー」
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虫プロダクション(旧)が制作し、1970年〜1971年に全79話が放送されたTVアニメ。練馬区で執筆活動をしていた高森 朝雄氏(梶原一騎氏のこと。原作を担当)と、ちばてつや氏(作画)によるマンガが原作。ドヤ街に現れた不良少年・矢吹丈(ジョー)がボクシングに出会い、ライバル・力石徹との対決や死を乗り越え、ボクサーとして成長していく物語。本作では原作の中盤までが描かれている。 原作:高森朝雄・ちばてつや、監督(チーフ・ディレクター):出﨑統、作画監督:杉野昭夫、金山明博、荒木伸吾。
※当サイト内、練馬アニメトピックスでは、2014年に開催された「あしたのジョー、の時代展」記念・ちばてつや先生のインタビューや、トークイベントレポートなどを掲載しています。 - ■ 『劇場版 エースをねらえ!』
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東京ムービー(現 トムス・エンタテインメント)が制作し、1979年に公開された劇場用アニメ。出崎統監督の劇場映画初監督作品。TVシリーズ(1973~1974年 全26話)の再編集ではなく、劇場用としてすべて新規に制作された。テニスの名門・西高の1年生岡ひろみは、超高校級のプレイヤー〈お蝶夫人〉こと竜崎麗香に憧れテニス部に入る。そんなテニス初心者のひろみを、新任コーチ宗方仁は関東地区予選出場者の1人に抜擢する。周囲の嫉妬を買い孤立したひろみは、テニス部を退部しようとするが――。愛川マキはひろみを支える同級生にして親友。ゴエモンはひろみの飼っている黒猫のこと。原作の長い物語を巧みに圧縮しているため、主筋は緊張感の続く展開となる。マキやゴエモンとの時間を描かれることでひろみの日々が活き活きと息づいて見える。 原作:山本鈴美香、監督:出﨑統、作画監督:杉野昭夫、美術監督:小林七郎、撮影監督:高橋宏固。
『劇場版 エースをねらえ!』
Blu-ray 発売中
発売・販売元:バンダイビジュアル
©山本鈴美香/集英社・TMS
http://www.bandaivisual.co.jp/ - ■ 「まんが世界昔ばなし」
- ダックスインターナショナルが制作し、1976年〜1979年まで全127回が放送されたTVアニメ。30分枠で1本につき2話で構成されていた。例外的に、1つの作品につき5〜10回程度続くものもあった。世界各地の民話や伝説をはじめ、欧米の古典的童話、児童文学や、実在の人物の伝記なども扱った。マッドハウスを中心に、さまざまなアニメ制作会社が参加。出﨑統氏は〈松戸館〉名義で「なんぱ船」「炎のうま」「わがままな巨人」などを監督している。
- ■ 「アルプスの少女ハイジ」
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ズイヨー映像が制作し、1974年に全52話が放送されたTVアニメ。両親を亡くした5歳の少女・ハイジは、祖父であるアルムおんじに預けられ、アルプスの大自然のもとでのびのびと暮らしていた。ところが3年後、叔母の考えで急遽フランクフルトのとある屋敷で暮らすことになった。そこでハイジは体が弱くて歩く事のできないクララという少女と出会う。 原作:ヨハンナ・スピリ、演出:高畑勲、キャラクターデザイン・作画監督:小田部羊一、場面設定・画面構成:宮崎駿
「アルプスの少女ハイジ」
Blu-rayメモリアルボックス 発売中
発売・販売元:バンダイビジュアル
©ZUIYO
http://www.bandaivisual.co.jp/ - ■ 日本昔ばなし(「まんが日本昔ばなし」)
- グループ・タックがアニメーション制作を担当し。1975年から1995年まで全1470話が放送されたTVアニメ。 日本全国の昔話を映像化したもので大人気となり20年近くにわたって放送された。市原悦子、常田富士男のふたりがすべての語りを担当した。
- ■ マッドハウス
- 1972年に、虫プロダクション(旧)に所属していた丸山正雄氏、出崎統氏、りんたろう氏、川尻善昭氏などが中心となって設立したアニメスタジオ。当初は、東映動画のテレビシリーズや、東京ムービーのテレビシリーズなどのアニメーション制作を行っていた。80年代には映画やOVAなども手掛けるようになる。TVアニメ「YAWARA!」(89~92)を皮切りに自社制作も行うようになった。TVアニメ「カードキャプターさくら」(89)、「はじめの一歩」(00~02)、「四畳半神話大系」(10)や、劇場用アニメ映画『千年女優』(02)、『時をかける少女』(06)、『マイマイ新子と千年の魔法』など、高い品質を誇る作品を数多く作り出している。
- ■ 小林 七郎(こばやし しちろう)
- アニメーション美術監督。小学校の美術教師を経て1964年に東映動画(現 東映アニメーション)に入社。1968年に背景美術制作会社・小林プロダクションを設立する。代表作に、「ど根性ガエル」、「ガンバの冒険」、『劇場版エースをねらえ!』、「あしたのジョー2」、『ルパン三世 カリオストロの城』、「魔法の天使クリィミーマミ」、『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』、『天使のたまご』、「少女革命ウテナ」などがある。
- ■ 白鯨
- 1851年に発表されたアメリカの小説家・ハーマン・メルヴィルの長編小説。白いマッコウクジラ〈モビィ・ディック〉に片足を奪われ報復を誓う捕鯨船エイハブ船長の執念の船旅を、沈没した捕鯨船でただ一人生き残った乗組員・イシュメイルが書き残した手記の形で語られる。
- ■ あんなぷる
- スタジオあんなぷる のこと。マッドハウスに所属していた出崎統氏と杉野昭夫氏が、TVアニメ「あしたのジョー2」(80〜81)の制作をきっかけとして独立し、1980年に設立したアニメ制作会社。スタジオ名は英語で1つのリンゴの意味の「an apple」から。 出﨑作品には、リンゴが度々描かれている。
- ■ Aプロダクション
- 東映動画(現・東映アニメーション)出身の楠部大吉郎氏、芝山努氏、小林治氏、椛島義夫氏、森下圭介氏が中心となり、1965年に創立したアニメスタジオ。東京ムービー作品のアニメ制作を担当しており、「オバケのQ太郎」(65~67)、「巨人の星」(68~71)、「ルパン三世」(1st 71~72)、『パンダコパンダ』(72)、「ど根性ガエル」(72~74)、「エースをねらえ!」(73~74)、「ガンバの冒険」(75)など数多くの作品を手がけた。1976年に、自社で企画から制作まで行うスタジオ〈シンエイ動画〉として再出発。1979年には、現在も放送が続くTVアニメ「ドラえもん」を制作し大ヒット。これをきっかけに、「ドラえもん」原作者の藤子不二雄氏の作品などを中心に次々とアニメ化。1992年には、もう一つの人気シリーズとなる「クレヨンしんちゃん」がスタート。これらのTVシリーズの劇場版も手掛けている。2007年に初のオリジナル劇場用長編アニメ『河童のクゥと夏休み』を発表、多方面から高い評価を受けた。
- ■ 東映動画(現・東映アニメーション)
- 1956年に練馬区大泉に設立された、60年の歴史を持つアニメーション制作会社。当初の制作体制は、「動きで表現することを大事にする」ことを特徴とした劇場作品を、1年間に1本のペースで製作・公開することを目標としていた。1963年からはTVアニメの制作もスタート。以降現在に至るまで、「ドラゴンボール」シリーズ、「デジモンシリーズ」、「ONE PIECEシリーズ」、「プリキュア」シリーズなど、数多くの劇場作品、TVシリーズを発表し続けている。その設立から初期のスタッフについては、当サイト《練馬のアニメスタジオの遺伝子 東映動画編》で詳しく紹介。
- ■ 虫プロ
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アニメーション制作会社・虫プロダクションの通称。1961年にマンガ家でアニメーターでもあった手塚治虫が設立し、1973年まで活動したアニメスタジオ「株式会社虫プロダクション」(旧)と、1977年に旧虫プロの労働組合を母体として設立された「虫プロダクション株式会社」(新)がある。ここでは虫プロダクション(旧)を指す。
虫プロダクション(旧)には、出﨑統氏をはじめ、芦田豊雄氏、川尻善昭氏、杉井ギサブロー氏、高橋良輔氏、富野由悠季氏、丸山正雄氏、安彦良和氏、吉川惣司氏などが在籍していた。この虫プロダクション(旧)で、1963年から日本初の30分枠連続TVアニメ「鉄腕アトム」が制作され、日本のアニメビジネススタイルの先駆けとなった。当サイト《練馬のアニメスタジオの遺伝子 虫プロダクション編》でも詳しく紹介。 - ■ 近藤 喜文(こんどう よしふみ)
- アニメーター、キャラクターデザイナー、アニメーション映画監督。1968年にAプロダクションに入社、「巨人の星」(68~71)、「ルパン三世」(1st 71~72)などにアニメーターとして参加する。1978年には日本アニメーションに移籍し、「未来少年コナン」、「赤毛のアン」などに参加。宮崎駿監督、高畑勲監督作品を、作画面で支える存在となる。1980年にテレコム・アニメーションフィルムに移籍。「名探偵ホームズ」のキャラクターデザインなどを担当する。1987年、スタジオジブリに移籍。『火垂るの墓』(88)のキャラクターデザイン・作画監督、『魔女の宅急便』(89)の絵コンテ・作画監督を担当。1991年には『耳をすませば』で初監督を務めた。1997公開の『もののけ姫』では作画監督として参加した。同年末に病に倒れ、翌1998年逝去。
- ■ アトム
- 「鉄腕アトム」のこと。虫プロダクション(旧)が制作し、1963年から1966年まで全193話が放送されたTVアニメ。日本初の30分枠連続TVアニメでもある。手塚治虫氏の同名マンガが原作。アトムは天馬博士が交通事故で死亡した息子のかわりとしてつくったロボット。御茶ノ水博士に引き取られ、人間のように心を持ったロボットへと成長していく。
- ■ 「宇宙戦艦ヤマト」
- オフィス・アカデミーが制作し、1974年から1975年に全26話が放送されたTVアニメ。西暦2199年、地球は謎の敵・ガミラス帝国の攻撃により滅亡の危機に瀕していた。だが、外宇宙のイスカンダルからもたらされた情報を受け、秘密裏に建造されていた〈宇宙戦艦ヤマト〉は人類最後の希望を託され、14万8000光年の航海に挑む。 企画・原案・プロデューサー:西﨑義展、監督・設定デザイン:松本零士。
- ■ 『とっとこハム太郎』劇場版シリーズ
- 2000年から2004年まで全193話が放送されたTVアニメ「とっとこハム太郎」の劇場版として2001年から2004年までの毎年12月に公開された。トムス・エンタテインメントにより、『劇場版 とっとこハム太郎 ハムハムランド大冒険』(01)、『劇場版 とっとこハム太郎 ハムハムハムージャ! 幻のプリンセス』(02)、『劇場版 とっとこハム太郎 ハムハムグランプリン オーロラ谷の奇跡 リボンちゃん危機一髪!』(03)、『劇場版 とっとこハム太郎 はむはむぱらだいちゅ! ハム太郎とふしぎのオニの絵本塔』(04)の4本が制作され、出﨑統氏が全作の監督を務めた。東宝の配給で、1~3作は『ゴジラ』シリーズと同時上映された。前売り券の購入特典や入場者への特典として、『ゴジラ』と『とっとこハム太郎』の2作をコラボした、「ゴジハムくん」や「モスハムくん」といったソフビ人形も作られた。 原作:河井リツ子、監督:出﨑統、総作画監督:須藤昌朋、山中純子。
- ■ 『AIR』
- 劇場版『AIR』と同じゲームが原作のTVアニメシリーズ。京都アニメーションが制作し、2005年に12話+特別篇2話及び総集編が放送された。 原作:ビジュアルアーツ/Key、監督:石原立也、キャラクターデザイン・総作画監督:荒谷朋恵。
- ■ 京都アニメーション版「AIR」
- 京都アニメーションが制作し、2005年に12話+特別篇2話及び総集編が放送されたTVアニメ。原作:ビジュアルアーツ/Key、監督:石原立也、キャラクターデザイン・総作画監督:荒谷朋恵。
- ■ 『CLANNAD』(クラナド)
- 東映アニメーションが制作し、2007年に公開された劇場用長編アニメ。前述の「AIR」に続き、Keyが制作した同名の恋愛アドベンチャーゲームが原作。私立光坂高校に通う主人公・岡崎朋也と、学園で出逢うヒロイン達との交流と成長の物語。 原作・監修:ビジュアルアーツ/Key、監督:出崎統、作画監督:大西陽一
- ■ ハーモニー
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©山本鈴美香/集英社・TMS
※当サイト 練馬アニメトピックスでは、画集『ハーモニーという世界 ~アニメが名画になる瞬間~』の、発売記念トークイベントレポートを掲載しています。
『ハーモニーという世界 ~アニメが名画になる瞬間~』を語る が杉並区の「阿佐ヶ谷Loft A」で開催されました。 - ■ 「ブラックジャック」
- 手塚プロダクションが制作し、1993年から2011年にかけて全12話が発表されたOVAシリーズ。1996年には、このOVAの流れをくむ劇場用長編アニメ『ブラック・ジャック 劇場版』も制作された。手塚治虫氏による同名マンガが原作。 「医療と生命」をテーマに、無免許だが神業ともいえる技術で世に名を知られる、天才外科医ブラック・ジャックの活躍を描く。OVA10話までと劇場版は、出﨑統氏が監督を務めた。OVA最終作の11、12話には、監修・シリーズ名誉監督としてクレジットされている。 原作・オリジナルキャラクター:手塚治虫、監督:出崎統(1〜10)、キャラクターデザイン・作画監督:杉野昭夫。
- ■ 手塚先生
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マンガ家・手塚治虫氏のこと。「鉄腕アトム」、「ブラック・ジャック」、「火の鳥」など数多くの代表作を持ち、〈漫画の神さま〉と評された。1946年に「マアチャンの日記帳」(4コママンガ)でデビュー。1947年の描き下ろし単行本「新寶島」は大ヒットとなる。1950年からはマンガ雑誌において「ジャングル大帝」、「鉄腕アトム」、「リボンの騎士」などの作品を次々と発表する。アニメーションに興味を持っていたことから、東映動画(現・東映アニメーション) より 「ぼくの孫悟空」を原案とする長編アニメ映画『西遊記』(60)制作の企画打診がありこれに参加。1961年には自らアニメスタジオ「株式会社虫プロダクション」を立ち上げた。ここで、1963年から日本初の30分枠連続TVアニメ「鉄腕アトム」などの作品を制作。手塚氏はその後もマンガ家としても精力的に作品を発表し続けた。1989年逝去。
※当サイト《練馬のアニメスタジオの遺伝子 虫プロダクション編》では、手塚治虫氏についても詳しく紹介しています。 - ■ 「どろろ」
- 虫プロダクション(旧)が制作し、1969年に全26話が放送されたTVアニメ。原作は手塚治虫氏の同名マンガ。出﨑氏は、原画や演出として参加している。舞台は戦国時代。身体の各部を妖怪に奪われた少年〈百鬼丸〉は、子どもの泥棒〈どろろ〉とともに旅をしながら、妖怪と戦い自分の身体をとりもどしてゆく。 原作:手塚治虫、総監督:杉井ギサブロー、作画監督:北野英明、上口照人。
- ■ ベルバラの後半
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©斎藤惇夫/岩波書店・TMS
「ベルサイユのばら」の略称。ここではTVアニメ版を指す。東京ムービーが制作し、1979年~1980年まで全40話+総集編1話が放送された。池田理代子氏の同名マンガが原作。 18世紀末のフランスが舞台。男装の麗人で近衛士官のオスカル、フランス王妃マリー・アントワネット、スウェーデン貴族フェルゼンの3人を軸に、フランス革命の嵐の中で運命に翻弄された人々を描く史実を基にしたフィクション。 出﨑氏は19話からチーフディレクターとして参加している。「アンドレ 青いレモン」は、後半第28話のサブタイトル。アンドレは本作の副主人公ともいえる人物。オスカルの幼なじみで従卒だが、彼女に想いを寄せている。 原作:池田理代子、総監督(第12話まで):長浜忠夫、チーフディレクター(第19話以降):出崎統、作画監督・キャラクターデザイン:荒木伸吾、姫野美智
『ベルサイユのばら』
Blu-ray 発売中
発売・販売元:バンダイビジュアル
©池田理代子プロダクション・TMS
http://www.bandaivisual.co.jp/ - ■ 透過光
- 出崎統監督が数々の作品を作る中で生み出した個性的な演出手法の一つ。セル撮影の時代に編み出された技法で、光を線や帯、円や点などで表現する。通常の方法で撮影したフィルムを巻き戻し、光が入る部分以外をすべて黒く塗りつぶしたマスクをかぶせ、光を撮影した映像を二重露光で焼きつけて合成するという、非常に手間のかかる作業を行う。透過光を強調する一方、画面を部分的に暗くすることも多い。フィルム時代の技法だが、デジタル時代になってからも疑似的に再現することで、いまでも演出手法として使われている。
- ■ 入射光
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©山本鈴美香/集英社・TMS出崎統監督が数々の作品を作る中で生み出した個性的な演出手法の一つで、画面に光が差し込んだように見せる技法。『劇場版 エースをねらえ!』では、ひろみが代表選手取り消しを宗方に進言する場面など、印象的なシーンに使用された。通常の方法で撮影したフィルムを巻き戻し、次に特殊なレンズの後ろに、光を当てた金銀のモールを置いて再び撮影し、二重露光で合成する。1969年公開のアメリカ映画『イージー・ライダー』で、夕日に照らされてながらバイクを走らせるシーンに光が入っていたのを参考にしたといわれている。
- ■ ジョー2
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「あしたのジョー2」のこと。東京ムービー(現 トムス・エンタテインメント)が制作し、1980年から81年まで全47話が放送されたTVアニメ。原作の力石戦の後からラストまでを描いた。 力石徹との試合で、彼を死なせてしまったことから、対戦相手のテンプル(こめかみ)を打てなくなったジョー。だがベネズエラのボクサー・カーロスとの出会いにより再起し、ついには世界チャンピオンのホセ・メンドーサに挑む。 『劇場版エースをねらえ!』の直後の作品であり、出崎演出の最高峰のひとつ。原作:高森朝雄、ちばてつや、演出:出﨑統、作画監督:杉野昭夫。
『あしたのジョー2』
Blu-ray Disc BOX全2巻 発売中
発売・販売元:バンダイビジュアル
©高森朝雄・ちばてつや/講談社・TMS
http://www.bandaivisual.co.jp/ - ■ パラフィン
- 色の付いたパラフィンシートのこと。パラかけは出崎統監督が数々の作品を作る中で生み出した個性的な演出手法の一つで、撮影技法の1つ。画面の一部に影を付け、見せたい部分を強調する演出法。フイルム撮影の時代には、パラフィンをレンズの前に置き、画面に影をつけたりグラデーションをかけた。また、透過光の色付けにも利用された。デジタル撮影となった現在では、これと同様の効果のことを指す。
- ■ 「源氏物語千年紀 Genji」
- トムス・エンタテインメントと手塚プロダクションが制作し、2009年に全11話が放送されたTVアニメ。平安時代中期に成立した紫式部による「源氏物語」を原案としたオリジナルストーリー。出﨑統監督が手がけ完成を見届けた最後の作品でもある。 監督:出﨑統、キャラクターデザイン・総作画監督:杉野昭夫。
- ■ クリスタルボーイ
- 出﨑氏が手がけた1982年公開の劇場用長編アニメ『SPACE ADVENTURE コブラ』、TVアニメ「スペースコブラ」(ともに寺沢武一氏のSFマンガ「コブラ」が原作)の登場人物。 主人公・コブラの最大の宿敵にして海賊ギルドの幹部。超合金製の顔と骨格、特殊なクリスタルの身体を持つサイボーグ。
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