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惜しまれつつお別れ! 「2代目銀河鉄道999デザイン電車さよならイベント」開催!

2019年04月03日

練馬区大泉在住で名誉区民でもあるマンガ家・松本零士先生がデザインした、西武鉄道の「2代目銀河鉄道999デザイン電車」(20000系車両)。2016年10月にお目見えして以来、アニメファンや松本先生のファンのみならず、多くの方々に親しまれてきました。

この車両の運行が今年3月で終了することとなり、同月24日に豊島線の豊島園駅ととしまえんで「さよならイベント」が開催されました。

 

残念ながら西武線本線での車両運行は卒業となりましたが、そのデザインは、としまえんのミニ電車型ライド「チャレンジトレイン」の車両に引き継がれることになりました。この日のイベントは、その車両のお披露目と松本零士先生による除幕式からスタートです。

雲ひとつない初春の快晴のもと、としまえんは家族連れなど多くのお客さんでにぎわっていて、「チャレンジトレイン」も行列ができる盛況ぶり。そして松本先生が到着すると、待っていたファンの方々から歓声があがりました。

まずは、松本先生からのご挨拶です。「チャレンジトレインとして残していただいて、とてもうれしく思います。私も小さいころから電車に乗るのが好きで、今日はとても楽しいです。お集まりいただいて感謝いたします」。

子供向けの車両にデザインするのは松本先生もはじめての経験とのことで、本当によろこんでいらっしゃいました。

 

そして、チャレンジトレインの車両にかけられていたカバーが、松本先生の手によって取り除かれました。実際の西武鉄道20000系車両をそのまま小さくしたような外見に、2代目と同じキャラクターのイラストが施された、とてもかわいらしい車両です。除幕後のフォトセッションで、司会者のリクエストに応えて松本先生が鉄道員のような敬礼を披露すると、周辺からいっせいにシャッター音が響きました。

除幕式が終わると、さっそく松本先生が乗り込み、お披露目のため場内を一周します。見守るファンの方々に笑顔で手を振り、楽しそうに警笛を鳴らす松本先生の姿が印象的でした。

かなり貴重な話も!?松本零士先生のトークショー

デモンストレーション運転が終わると、当該アトラクションからすぐの場所にある「それいゆ広場」にて、松本先生のトークショーが開催されました。司会は、先のイベントの進行も担当された「女子鉄アナウンサー」の久野知美さんです。

トークショーは、松本先生が鉄道への思い入れを語るところからスタートしました。先生は福岡県の久留米市で生まれ、帝国陸軍のテストパイロットだった父親の都合で兵庫県の明石市に移ります。さらにその後北九州(小倉)へと移られるのですが、そのころ自宅の前を列車が通っていたそうです。「いつの日か、自分はあれに乗って東京へ行くぞ、と思っていました」。

やがて先生は、高校在学中から自身の作品が認められ、雑誌や新聞の連載をはじめます。そして自分は大学入りをあきらめ、弟さんのために東京で漫画を描いて稼ぐ決心をして上京しました。新幹線も特急もない時代、九州から東京までは非常に長い道のりだったようです。「東京まで(列車で)24時間ですよ!」。

上京当時は本郷に下宿していた松本先生ですが、そのころから西武線の沿線が大好きだったそうです。「自然環境が豊かで、本当にきれいな場所なんですよ。そこに立っている一本一本の木を見ながら「この木はたぶん自分より年上なんだろうなぁ」などと想像したりしましたね」。

さらに先生は、テストパイロットをしていたお父様が練馬区など武蔵野の上空をたびたび飛んでいて、その地形に非常に詳しかったこと、そのお父様が入間川に何度も不時着したこと、などの秘話も披露されました。そうした関係から、練馬区は松本先生にとってとても「縁が深い土地」と思うようになったそうです。

 

やがて豊島区や練馬区には、大勢のマンガ家が住み、アニメ制作会社がいくつも立ち上がります。松本先生は、手塚治虫先生などで有名なトキワ荘にも何度も通っていました。そのため、ご自身がお住いの大泉のみならず、西武線沿線には非常に詳しいとのことでした。

実は10数年前、としまえんの場所に1008メートルの電波塔を建設する計画があり、松本先生と実弟で工学博士の松本將さんもそれに参加する予定だったといいます。残念ながら計画は立ち消えとなりましたが、いまでも先生は、自然と調和できるタワーの構想を夢見ているそうです。

 

そして、本題でもあるデザイン電車の話題へ。西武鉄道のオファーを受け、2代目の電車のデザインを任された際には、「自然豊かな大地を走る電車なので、デザインもそれにマッチしたものにしたい。電車の両側に広がる大自然を表現したい」と考えられたそう。初代はメーテル(『銀河鉄道999』)の髪の毛の色から黄色がベースとなりましたが、2代目はそういう経緯があって緑色がベースとなりました。

残念ながら車両は3月をもって卒業となりましたが、チャレンジトレインとして生まれ変わったことがとてもうれしい、と先生は語ります。

 

最後に、会場にいらっしゃったファンの方々へのメッセージで、トークショーはおひらきとなりました。

「私は、みなさんにご覧いただくために一生懸命描いています。だから、作品を見ていただいて、こうやってお集まりいただけるのは本当にうれしいです」。

これで見納め! 車両展示と記念撮影会

同日13:00からは、「2代目銀河鉄道999デザイン電車」がとしまえん駅構内に乗り入れ、展示されました。春の陽気に恵まれた日曜日の午後とあって、駅に到着した方々もひっきりなしに訪れ、珍しそうに電車に見入っていました。撮影も許可されていたため、『銀河鉄道999』の名物キャラクターである車掌さんの等身大フィギュアの前には、記念撮影をする人たちがたくさんいらっしゃいました。

また、中央の車両は「ぬりえスペース」として開放され、子どもたちが熱心に取り組んでいました。めったにない電車内でのレクリエーションだけあって、大勢の親子連れが参加され、大盛況の様子でした。車両内に入り切れなかった人たちのため、ここで使われたデザイン電車の線画図面とクレヨンは無料で配布されていて、記念にお持ち帰りされる方々も大勢いらっしゃいました。

お別れを彩るかわいいプレゼンテーター登場!「さよならセレモニー」

そして15:30からは、いよいよ「さよならセレモニー」です。司会の久野さんが、最初に松本零士先生から届けられたメッセージを読み上げます。「2代目銀河鉄道999デザイン電車に乗っていただけて、とてもうれしいです。西武線沿線に長く住み、西武線のおかげで仕事が成り立ってきました。沿線には多くのアニメの会社があり、マンガ家もたくさん住んでいます。そんななかを、自分のデザインした車両が走るのは夢のような話でした。ありがとうございました」

そして、さよなら特別記念運行にあたり、花束贈呈が行われました。西武鉄道の駅管区長、車掌、運転士のみなさんがレッドカーペットを通って並び、近隣の保育園に通う11人の園児たちがたくさんの花束を持って登場、3名の鉄道員に手渡していきます。とてもかわいらしい贈呈者の登場に、見守る方々から大きな歓声があがりました。

セレモニーの最後は、鉄道員の方々と園児たちがそろってのフォトセッションが行われ、笑顔のリクエストに応えながらの楽しい撮影となりました。

そして15:50には、いよいよ記念運行に出発です。特別に用意された記念運行乗車証を持った人たちだけを乗せたプレミアムラン。

園児たちは「ありがとう!」と書かれた横断幕を掲げ、その旅立ちを見守りました。

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