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アニメスポット探訪記
第3回「銀河万丈氏による読み語り」の会
アニメだけでは知り得ない、ベテラン声優・銀河万丈さんの幅の広い技量に生で触れよう!
アニメでの威厳のある悪役で知られるベテラン声優・銀河万丈さんによる、練馬区立美術館での企画展と連動した『銀河万丈による読み語り』の会が、去る8月30日(土)に『あしたのジョー、の時代展』に併せて貫井図書館視聴覚室にて開催され10回目を数えました。
開演前に美術館館長・若林覚さんがマイクを握り「銀河万丈さんと言えば?」と客席に問えば……アニメ、ゲームのキャラクター名やバラエティ番組のタイトルが即答で挙がり、万丈さんの幅の広い活躍が窺われました。
館長からはこの会の成り立ちも語られました。若林館長と万丈さんは高校の同窓生で……もともと万丈さんが140回以上毎月続けている読み語りイベント『言─ごんべん─』の会があり、それを観た館長からの依頼で始まったそうです。
終演後、銀河さんに伺うと「結構ムチャ振りが多いんですよ」と笑い、企画展のテーマにちなんだ演目を選定するために「どの切り口から探そうか……と、いつも頭を悩ませてますけど、一人でのイベントですから、それなりに小回りが効いて何とか」とのこと。
ポロシャツ姿のダンディな万丈さんが入場すると、照明が落ちて「今回は世代的にちょうどド真ん中だったこともあり、ノリノリだったんですが、あまりにも裾野が広かったもんですから……」と、特に選定に御苦労されたという演目の読み語りが始まりました。
第1部の演目は犬丸りん・著『んまんま』より「丸ごとスイカ」、寺山修司・著『書を捨てよ、町に出よう』と『少女詩集』よりの抜粋というラインナップ。
特に「丸ごとスイカ」は女性目線で描かれた作品ですが、万丈さんの語り口に冷静な観察眼と登場人物のお茶目さが混在し、黙読よりも遥かに楽しい印象に。
そして休憩を挟み、着物に着替えた万丈さんが第2部で読み語ったのは笹沢左保・著『木枯し紋次郎』より「海鳴りに運命を聞いた」でした。
乾いた無常感に満ちた作品世界に似合う低音で冷静な語り口に浸っていると、登場人物のエキセントリックな台詞では大迫力の声色と声量に突如射抜かれるといった感覚に襲われました。
高校生以上、事前の応募抽選による無料イベントなので運頼みではありますが、是非とも一度体験してみて下さいませ。
銀河万丈氏による読み語り
練馬区立美術館の企画展ごとに実施次回は、練馬区立美術館「見つめて、シェイクスピア展」の連動企画として11月8日(土)に開催
*要事前申込・抽選
練馬区立美術館・貫井図書館共同主催
【日時】11月8日(土曜)午後3時~4時半
【演目】島村洋子「てなもんやシェイクスピア」ほか
【対象】中学生以上
【定員】70名(事前申込・抽選)
【申込締切】10月22日(水曜)必着
※入場に際しては、展覧会チケット(当日以外の半券でも可)が必要です
詳しくは公式ホームページをご確認ください。
近藤ゆたか こんどうゆたか
時代劇・特撮・アニメ、最近では海外ドラマも愛し、アジテーターとして漫画・イラスト・雑文を生業とする。1964年、東京の下町・墨田区に生まれ育ち、現在は妻(漫画家・粉味)や二匹の猫(姉・やまぶき、弟・こばん)と共に練馬区上石神井暮らしを満喫中。早稲田大学理工学部卒。
『映画秘宝』『時代劇専門チャンネルガイド』などで連載を持ち、柳田理科雄氏の『空想科学読本』シリーズでは長年イラストを担当。また『大江戸ロケット』などの時代劇アニメでは時代劇監修も務める。
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