アニメをもっと楽しもう
アニメスポット探訪記
第4回:ニッカ―絵具株式会社
日本のアニメの美しい背景美術を支える絵具メーカーの拘りの職人魂に触れよう!
※ニッカー絵具株式会社は、2019年8月に区外へ移転しました
東武東上線「東武練馬駅」は板橋区ですが……駅の南側はすぐに練馬区!
そこから徒歩で数分にあるニッカー絵具株式会社さんの主力商品ポスターカラーは、アニメーションの背景画を描くスタジオから絶大な信頼を寄せられていることで知られております。
白黒アニメの『鉄腕アトム』から50年以上にわたりアニメ業界の縁の下の力持ちであり続ける絵具工場には、地元の小学生や修学旅行の学生、絵画教室の方たちなどが見学に訪れているそうです。
社屋の外壁にはカラフルな絵具のチューブや可愛いイラストが描かれていて何屋さんだか分かりやすッ! 壁画用絵具も作っていて、落書きされても消し易いコーティング剤も開発しているとのこと。
営業部企画開発課の妻倉さんの案内で、まずは「魔法使いが居そう」な開発研究スペースへ。
会長(先代社長)さんが新色や新製品開発の為に、工場の中でも天井の低い片隅で量っては混ぜを繰り返しているとのこと。国の規制で輸入が禁じられたり、同じ産地でも質が変わったりという材料の変化による再調整も行っているそうです。
次は大きな寸胴で大量の材料を調合する部屋へ。
色の素となる粉末の入った大きな袋が重そうですが、出来上がった絵具は色によって重さが違い、特に白はチタンのような金属の粉が多く含まれているので重いとのこと。
そして、秘密のレシピ通りに攪拌器で水と接着剤と色の粉を混ぜますが……まだ完成ではありません。コピー用紙一枚分の隙間も無い三つのローラーに繰り返し流すことで成分を均一にするのが大事で、別の色を作る際には色が混ざらないようにローラーを綺麗に洗わなければならないってのが大変そうですわ~。
出来上がった絵具をチューブや瓶に詰める機械はラベル貼りまで出来ちゃう優れもの。チューブの場合、注ぎ口である尻は超音波接着!
自分でマーブル模様を作り立体物にも転写できる「マーブリング・デコ」、皮膚に優しいボディペイント用の「ミラクルペイント」などの新しい絵具の開発にも意欲的です。まずは画材店を覗いて学校の授業では見かけなかった絵具に触れてみては如何でしょうか。
近藤ゆたか こんどうゆたか
時代劇・特撮・アニメ、最近では海外ドラマも愛し、アジテーターとして漫画・イラスト・雑文を生業とする。1964年、東京の下町・墨田区に生まれ育ち、現在は妻(漫画家・粉味)や二匹の猫(姉・やまぶき、弟・こばん)と共に練馬区上石神井暮らしを満喫中。早稲田大学理工学部卒。
『映画秘宝』『時代劇専門チャンネルガイド』などで連載を持ち、柳田理科雄氏の『空想科学読本』シリーズでは長年イラストを担当。また『大江戸ロケット』などの時代劇アニメでは時代劇監修も務める。
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