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アニメスポット探訪記
第5回:練馬区立石神井公園ふるさと文化館
練馬区の郷土史と共に、アニメ産業の成り立ちを学んでみよう!
石神井公園駅から徒歩15分、東西に広がり三宝寺池と石神井池を有して水と緑に親しめる石神井公園を抜けたところに、2010年にオープンしたばかりの「練馬区立石神井公園ふるさと文化館」があります。
練馬区の歴史・民俗資料を集めた常設展示室、区内の自然や名所、伝統工芸などの情報紹介コーナー、好評だった『鉄腕アトム放送50周年記念 アトムが飛んだ日』展、『江戸の妖怪』展などの特別展も行う企画展示室などがある上に、美味しい武蔵野うどんが食べられるコーナーがあります。
常設展示の練馬大根に関する資料の大充実に唸り、高度成長期の情景を実物大で再現した街なかで遊び、区の歴史を紹介したアニメ上映に観入り、刺激的な「練馬区独立史」などというコーナー名に驚きつつ、お目当ては……「練馬とアニメーション」のコーナーで高めな天井いっぱいにそびえ立つアニメ用の撮影台です!
1956(昭和31)年、区内に東映動画(現・東映アニメーション)の大泉スタジオ(現在は建替え中)が完成した際、最先端の多段式マルチプレーンカメラスタンドが二台導入され、1959(昭和34)年に更にもう一台増設されたのがコレで、区の文化財に登録されています。
劇場用長編アニメ映画の第3作『西遊記』(1969/昭和35年)をはじめ『太陽の王子 ホルスの大冒険』(1968/昭和43年)、『劇場版 銀河鉄道999』(1979/昭和54年)など多数の作品の撮影に活用されたとのこと。
ハンドルレバーを回せばセル画や背景画を乗せる段の高さがそれぞれ自在に変えられるので、手前のセル画にピントを合わせれば背景画がぼやけるので遠近感を出せます。他にも特殊加工されたガラスを間に置いたりして、撮影担当者の工夫で様々な特殊撮影が出来たそうです。
カメラの位置が高く、手作りの踏み台に乗ってファインダーを覗いていたそうで、その踏み台も展示されております。
背の壁面には昭和30年代の東映動画社内の白黒写真が多数並べられ、日本のアニメ産業のパイオニアの熱気が伝わって来ます。
また、常設展示の案内をボランティアでして下さっているサポーターさんたちの中には東映動画のOBの方もいらっしゃるそうです。もし、お会いできれば詳しいお話が伺えるかもしれませんよ。
練馬区立石神井公園ふるさと文化館
- 住所 〒177-0041 東京都練馬区石神井町5-12-16
電話番号 03-3996-4060
開館時間 9:00~18:00
休館日 月曜日(月曜日が祝休日のときは、その直後の祝休日でない日)、年末年始(12月29日~1月3日)、臨時休館日
入館料 常設展示 無料(※特別展観覧料は有料)
交通案内
・西武池袋線 「石神井公園」駅 / 南口 徒歩15分
・西武新宿線 「上井草」駅 / 南口 徒歩20分
・西武バス 「JA東京あおば」停留所 徒歩5分(荻14/石神井公園駅南口~上井草駅~荻窪駅)
・西武バス 「三宝寺池」停留所 徒歩2分(荻15/長久保~大泉学園駅南口~上井草駅~荻窪駅~阿佐ヶ谷駅)
・みどりバス 「JA東京あおば」停留所 徒歩5分(関町ルート/関町福祉園~上石神井駅~練馬高野台駅~順天堂練馬病院)
詳しくは練馬区立石神井公園ふるさと文化館ホームページをご覧ください
近藤ゆたか こんどうゆたか
時代劇・特撮・アニメ、最近では海外ドラマも愛し、アジテーターとして漫画・イラスト・雑文を生業とする。1964年、東京の下町・墨田区に生まれ育ち、現在は妻(漫画家・粉味)や二匹の猫(姉・やまぶき、弟・こばん)と共に練馬区上石神井暮らしを満喫中。早稲田大学理工学部卒。
『映画秘宝』『時代劇専門チャンネルガイド』などで連載を持ち、柳田理科雄氏の『空想科学読本』シリーズでは長年イラストを担当。また『大江戸ロケット』などの時代劇アニメでは時代劇監修も務める。
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