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練馬ほっと・キャスト 特別企画 練馬にいた! アニメの巨人たち

練馬区ゆかりのアニメクリエイターと、その作品の魅力を探る「練馬にいたアニメの巨人たち」。
アニメ研究家の氷川竜介さんとアニメ史研究家の原口正宏さんが、そのクリエイターの魅力についてたっぷり語ります。

  • アニメ研究家 氷川竜介さん
  • アニメ史研究家 原口正宏さん

第12回 細田 守さん(アニメーション映画監督)その1

  • 細田守監督細田守監督
  • 『未来のミライ』©2018 スタジオ地図

今回からとりあげるのは、アニメーション映画監督・細田 守(ほそだ まもる)さんです。
最新作『未来のミライ』が今夏公開予定の細田監督は、1991年に練馬区大泉の東映動画(現・東映アニメーション)でアニメーターとしてキャリアをスタート。1997年に演出家としてデビューし、以後様々な作品で活躍されています。
今回は、細田守監督と、監督が手がけた作品について、その魅力を語り尽くします。

※2月24日(土)にトークライブ形式で行われたイベントを録音・編集しました。

細田 守(ほそだ まもる)監督 プロフィール

アニメーション映画監督。1991年に東映動画(現・東映アニメーション)に入社し、アニメーターとしてキャリアをスタートさせる。1996年に社内で演出採用試験が初めて実施され、これに合格。翌年、TVアニメ「ゲゲゲの鬼太郎(第4シリーズ)」(96~98)で演出家としてデビューした。1999年には『劇場版デジモンアドベンチャー』の監督に抜擢され、2000年の『劇場版デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』で大きな注目を集めた。東映アニメーションを退社後、マッドハウスの丸山正雄氏(当時)の元で『時をかける少女』(06)を監督し大ヒット。国内外の映画・アニメ賞など23冠を受賞した。続いて、自身初となるオリジナル作品『サマーウォーズ』(09)を発表。126万人を超える観客動員数を記録する。2011年に自身のアニメーション映画制作会社〈スタジオ地図〉を設立。『おおかみこどもの雨と雪』(12)、『バケモノの子』(15)とヒット作を生み出し続けている。最新作『未来のミライ』は、本年7月公開予定。

※以下の画像と解説をご覧になりながらお聞きください。
また、今回の内容には、紹介する作品のネタバレも含みます。ご注意ください。

収録のようすと用語解説

細田作品の魅力のキーポイント

■ 東映動画(現・東映アニメーション)
1956年に練馬区大泉に設立された、60年の歴史を持つアニメーション制作会社。当初の制作体制は、「動きで表現することを大事にする」ことを特徴とした劇場作品を、1年間に1本のペースで製作・公開していた。1963年からはTVアニメの制作もスタート。以降現在に至るまで、「ドラゴンボール」シリーズ、「デジモン」シリーズ、「ONE PIECE」シリーズ、「プリキュア」シリーズなど、数多くの劇場作品、TVシリーズを発表し続けている。 その設立初期のスタッフについては、当サイト練馬のアニメスタジオの遺伝子 東映動画編で詳しく紹介。
■ 「ゲゲゲの鬼太郎」
1996年から98年に全114話が放送されたTVアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」第4シリーズのこと。
水木しげる氏のマンガを原作としている。アニメーション制作は東映動画。
幽霊族の生き残り・鬼太郎は、父・目玉おやじや仲間の猫娘、砂かけ婆、子泣き爺、一反木綿、ぬりかべなど妖怪仲間と共に、妖怪と人間が共存できる平和な世界をつくるために悪い妖怪と戦う。
細田氏は、第94話「鬼太郎魚と置いてけ堀」で演出家デビュー。続いて第105話「迷宮・妖怪だるま王国」、第113話「鬼太郎対三匹の刺客!」の演出も担当した。
原作:水木しげる、シリーズディレクター:西尾大介、キャラクターデザイン、総作画監督:荒木伸吾、姫野美智
「ゲゲゲの鬼太郎」は、これまでに第1シリーズ(68~69※白黒)、第2シリーズ(71~72)、第3シリーズ(85~88)、第5シリーズ(07~09)が制作された。本年4月からは、第6シリーズの放送も決定している。アニメーション制作は、東映動画(98年以降は「東映アニメーション」に社名変更)が担当。
■  『時をかける少女』
2006年に公開された、細田守監督による劇場用アニメ-ション。アニメーション制作はマッドハウス。筒井康隆氏の小説「時をかける少女」が原作であるが、原作の出来事から約20年後を舞台とした物語となっている。
高校2年生の紺野真琴は、理科実験室に落ちていたクルミをうっかり割ってしまったことがきっかけとなり、時間を飛び越えて過去に戻る力「タイムリープ」を手に入れる。
監督:細田守、キャラクターデザイン:貞本義行、作画監督:青山浩行、久保田誓、石浜真史
※本作の制作のきっかけとなった、プロデューサーの丸山正雄氏については、練馬にいた!アニメの巨人たち第9回第10回第11回でとりあげています。。
■ 『サマーウォーズ』
2009年に公開された、細田守監督による劇場用アニメ-ション。アニメーション制作はマッドハウス。
高校2年生の小磯健二は、夏休みに憧れの先輩・夏希に連れられ、長野にある彼女の実家へ向かう。そこには曽祖母・栄の90歳の誕生日を祝うべく26人の親族が集まっていた。時を同じくして、世界中を混乱に陥れる事件が発生。栄の指揮の元、健二と夏希は親族と共に事件に立ち向かう。
監督:細田守、キャラクターデザイン:貞本義行、作画監督:青山浩行、藤田しげる、濱田邦彦、尾崎和孝
■ スタジオ地図
マッドハウスで『時をかける少女』、『サマーウォーズ』のプロデューサーを務めた齋藤優一郎氏が、マッドハウス退社後に細田守監督とともに2011年に設立したアニメーション映画制作スタジオ。
『おおかみこどもの雨と雪』(12)、『バケモノの子』(15)、本年夏公開の『未来のミライ』と、細田監督作品の制作拠点となっている。
■ 『おおかみこどもの雨と雪』
2012年に公開された、細田守監督による劇場用アニメ-ション。アニメーション制作はスタジオ地図。
“おおかみおとこ”と大学生・花との間に生まれた二人の≪おおかみこども≫「雨」と「雪」。自然豊かな田舎町で様々な人や獣と出会い、時には楽しく元気に、時には悩み傷つきながら、「自分の世界」を見つけ出すまでを描く。
監督・脚本・原作:細田守、キャラクターデザイン:貞本義行、作画監督:山下高明
■ 『バケモノの子』
2015年に公開された、細田守監督による劇場用アニメ-ション。アニメーション制作はスタジオ地図。
ひとりぼっちの9歳の少年・蓮は、【渋谷】で出会ったバケモノ・熊徹を追ってバケモノ界【渋天街】へ迷い込む。強さを求める蓮は、熊徹の弟子となり「九太」と名づけられ、熊徹とぶつかり合いながらも逞しく成長していく。8年後、偶然にも渋谷へ戻った九太は、高校生の少女・楓と出会ったことをきっかけに、自分が生きる世界を模索しはじめる。そんな時、【渋谷】と【渋天街】を巻き込む事件が発生する。
監督・脚本・原作:細田守、作画監督:山下高明、西田達三
■ 『未来のミライ』
2018年7月20日に公開予定の、細田守監督による劇場用アニメーション最新作。アニメーション制作はスタジオ地図。
4歳の男の子・くんちゃんと、未来からやって来た妹・ミライちゃんが織り成す、ちょっと変わった「きょうだい」の物語を描く。
原作・監督・脚本:細田守、作画監督:青山浩行、秦綾子
公式サイト http://mirai-no-mirai.jp/
細田監督作品の中で、観てほしい、観返してほしい作品

■ 『劇場版デジモンアドベンチャー』
1999年3月に、東映アニメフェアの1作として公開された、劇場用短編作品。細田守監督の劇場作品デビュー作でもある。
原案は、モンスターを育てる携帯ゲーム「デジタルモンスター」(通称・デジモン)。
アニメーション制作は東映アニメーション。同年からTVシリーズが始まった「デジモンアドベンチャー」の前日譚が描かれる。
団地に住む太一・ヒカリの幼い兄妹の前に、PCからタマゴが現れる。そのタマゴから生まれたのは、デジモンと名乗る不思議な生命体だった。
監督:細田守、キャラクターデザイン:中鶴勝祥、作画監督:山下高明
■ 『劇場版デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』
2000年3月に東映アニメフェアの1作として公開された、細田守監督による劇場用短編作品。アニメーション制作は東映アニメーション。
突如ネットに出現した新種デジモンは、ネットに繋がるコンピュータのデータを食い荒らし、世界を混乱に陥らせる。事態に気づいた太一、光子郎の二人は仲間を集め、再び戦いへと乗り出す。
監督:細田守、キャラクターデザイン:中鶴勝祥、作画監督:山下高明、中山久司
■ スタジオジブリ
『天空の城ラピュタ』製作時の1985年に、『風の谷のナウシカ』を製作した出版社・徳間書店が中心となり設立したアニメーション・スタジオ。以後、高畑勲・宮崎駿両監督の劇場用アニメ映画を中心に製作してきた。当初は作品ごとにスタッフを集め、完成と共に解散する従来の制作スタイルだったが、後に人材育成のためにアニメーターを正社員化・固定給制にするなど、高品質で安定した作品作りの拠点となった。
■ 時をかける少女
筒井康隆氏の小説「時をかける少女」のこと。通称「時かけ」。
1972年にNHKの少年少女向けテレビドラマ枠「少年ドラマシリーズ」の第1作として初映像化(タイトルは「タイムトラベラー」)された。
続いて1983年に大林宣彦監督が映画化した『時をかける少女』は、多くの青少年の心をつかみ、この年の邦画興行成績2位を記録する大ヒット。主演の原田知世氏は第7回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞している。
さらにこの後、映画やTVドラマ、舞台、マンガなどが多数制作されることになる。
■ 大林さん
映画監督の大林宣彦(おおばやし のぶひこ)氏のこと。学生時代から自主映画作家としてキャリアを重ね、1964年からはCMディレクターとしても活躍。1970年にアメリカ俳優のチャールズ・ブロンソン氏を起用した「マンダム」を皮切りに、海外スターを起用したCM作りの先駆けになった。1977年の映画『HOUSE』で商用映画にも進出。自身の故郷である広島県尾道市を舞台にした『転校生』(82)、『時をかける少女』(83)、『さびしんぼう』(85)は〈尾道三部作〉と名付けられるほどファンも多い。以降も数多くの作品を手がけ、2017年には『花筐/HANAGATAMI』で第91回キネマ旬報ベストテンの日本映画2位、第72回毎日映画コンクールの日本映画大賞を受賞している。
■ マッドハウス
1972年に、虫プロダクション(旧)に所属していた丸山正雄氏、出崎統氏、りんたろう氏、川尻善昭氏などが中心となって設立したアニメスタジオ。当初は、東映動画のテレビシリーズや、東京ムービーのテレビシリーズなどのアニメーション制作を行っていた。80年代には映画やOVAなども手掛けるようになる。TVアニメ「YAWARA!」(89~92)を皮切りにテレビシリーズの自社制作も行うようになった。TVアニメ「カードキャプターさくら」(89)、「はじめの一歩」(00~02)、「四畳半神話大系」(10)、「宇宙よりも遠い場所」(18)や、劇場用アニメーション映画『千年女優』(02)、『時をかける少女』(06)、『サマーウォーズ』(09)、『マイマイ新子と千年の魔法』(09)、『きみの声をとどけたい』(17)など、高い品質を誇る作品を数多く作り出している。
■ 虫プロ
アニメーション制作会社・虫プロダクションの通称。1961年にマンガ家でアニメーターでもあった手塚治虫が設立し、1973年まで活動したアニメスタジオ「株式会社虫プロダクション」(旧)と、1977年に旧虫プロの労働組合を母体として設立された「虫プロダクション株式会社」(新)がある。ここでは虫プロダクション(旧)を指す。
虫プロダクション(旧)には、出﨑統氏をはじめ、芦田豊雄氏、川尻善昭氏、杉井ギサブロー氏、高橋良輔氏、富野由悠季氏、丸山正雄氏、安彦良和氏、吉川惣司氏などが在籍していた。この虫プロダクション(旧)で、1963年から日本初の30分枠連続TVアニメ「鉄腕アトム」が制作され、日本のアニメビジネススタイルの先駆けとなった。当サイト練馬のアニメスタジオの遺伝子 虫プロダクション編でも詳しく紹介。
■ 宮崎 駿(みやざき はやお)
アニメーション映画監督。1963年東映動画(現・東映アニメーション)へ入社。1971年に高畑勲氏、小田部羊一氏と共にAプロダクションに移籍、『パンダコパンダ』(72)に原案・脚本・画面設定として参加する。ズイヨー映像(のちの日本アニメーション)に移籍後は、「アルプスの少女ハイジ」(74)全カットの場面設定・画面構成を担当。「未来少年コナン」(78)でTVシリーズを初監督。テレコム・アニメーションフィルムに移籍し、『ルパン三世 カリオストロの城』(79)で長篇映画監督デビューを果たす。その後、『風の谷のナウシカ』(84)を経て1985年にスタジオジブリを設立し、多数の作品を監督・プロデュースする。2001年に公開された監督作品『千と千尋の神隠し』は、興行収入300億円を超え、日本歴代興行収入第1位を達成。2013年の監督作『風立ちぬ』公開後の9月に、長編映画製作からの引退を発表するも、2016年にこれを撤回。2017年には最新作『君たちはどう生きるか』の制作がスタートしたことが明かされている。
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