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東京国立博物館で、特別企画「時をかける少女×東京国立博物館」開催中!

2016年07月26日

2006年に劇場公開された細田守監督によるアニメーション映画『時をかける少女』。今年は公開10周年にあたり、アニバーサリー企画として実施される、7月18日(月・祝)からのリバイバル上映やコラボレーションカフェのオープンなどが話題になっています。映画の舞台のひとつでもある台東区の東京国立博物館でも、特別企画「時をかける少女×東京国立博物館」を開催。映画の野外上映やスペシャル・ギャラリー、関連グッズの販売が行われています。

実際のエントランス(上)と、映画の中のシーン(下)
©「時をかける少女」製作委員会2006

本企画の中核となるのが、スペシャル・ギャラリー「『時をかける少女』と東京国立博物館」。『時をかける少女』の映画にも登場する博物館本館のエントランスを入り、その左手にある特別4室で実施しています。

エントランスの左手にある特別4室で実施しています

ギャラリーにはまず、「『時をかける少女』に描かれた東京国立博物館」と題した大型パネルが設置されています。このパネルでは、映画における東京国立博物館の役割を解説。博物館のシーンの絵コンテ、原画、背景画も紹介されています。また、埋め込まれたTVモニターでは、本編中の博物館のシーンの一部を見る事が出来ます。

続いて、劇中に登場する企画展示「アノニマス―逸名の名画―」展を紹介するパネルが設置してあります。映画制作時に細田監督から「作者がわからない作品で構成する展覧会」を描きたいという依頼を受け、東京国立博物館の平常展調整室長を務める松嶋雅人さんが映画の中の展覧会を企画監修しました。その展覧会の企画意図やコンセプトが解説されています。ちなみに松嶋さんは、細田監督の大学時代の同級生でもあるそうです。

また、雑誌で特集された「細田守監督と日本絵画」をパネル化したコーナも設置。日本の名画と細田監督作品を比較し、そこから見えてくることについて、松嶋さんが紹介しています。

『時をかける少女』の聖地ともいえる東京国立博物館ならではの展示です。

会期中、博物館1階と博物館正門前の正門プラザ内のミュージアムショップでは、『時をかける少女』オフィシャルグッズや、東京国立博物館限定デザインのオリジナルグッズの販売も行われています。

7月15日(金)と16日(土)の夜には、本館前で『時をかける少女』の野外上映「博物館で野外シネマ」が予定されていましたが、15日は悪天候の為、室内での上映に変更。上映前には、細田監督と松嶋さんによるトークイベントが開催されました。

細田監督は最初に、「2006年の7月15日が初公開でした。それからちょうど10年に当たる今日、舞台の1つでもある東京国立博物館で上映が出来るのはとても光栄です」と挨拶。当時を振り返り「初公開時は6館での上映でした。高校生の女の子に観てもらいたいなと思っていましたが、初日1回目の上映では99%が男性で(笑) でも、1回目に観てくれた人たちがこの作品の事を広めてくれたおかげで、だんだんと動員が増えていったのはとても感謝しています」と話します。続いて松嶋さんが「この博物館を本当に美しく描いてくれていて、ここに勤めるものとしてもとても嬉しかったです」と当時の感想を述べてトークイベントはスタートしました。

松嶋さんからなぜ東京国立博物館が登場することになったのかと問われた細田監督は、本作の脚本を書いていた2004年頃に久しぶりに松嶋さんとお酒を飲みに行ったエピソードを挙げ、「作品の準備中は、会った人や聞いた話に影響を受けることがあります。博物館での仕事の話が、シナリオの中の人物や場所に混ざっていったんだと思います」と応えました。

映画の登場人物が劇中の企画展「アノニマス―逸名の名画―」を未来から見に来ることについても話が及びます。東京国立博物館には絵画だけでも約10万点が収蔵されていますが、全ての作者や内容がわかっている訳ではなく、研究が続けられているものが多数あるとのこと。そういった背景を受け、細田監督は「収蔵された絵画には、未来の世界で《名画》となる作品があるかもしれない」と考えたそうです。松嶋さんは「映画制作当時、作者が分かっていない作品を展示するというコンセプトで構成しましたが、選んだ作品の中にはこの10年で研究が進み、描かれている内容が判明したものもあります」と補足。東京国立博物館ならではのアカデミックなトークになりました。

最後に細田監督は「『時をかける少女』は《時》をモチーフにした作品。出て来るものが時代とともに変化しても、それはそれで意味がでてくるんだと、10年経ってそう思いました。今日ここに集まってくれた観客席の人たちの変化も含めて、公開当時には思いもよらなかった未来が来たことはとても感慨深いです。こういう話をみなさんと共有したうえで、映画を見ると、自分の人生とこの映画の未来と過去、変わったものと変わらないものの重層的な連なりを感じることができるんじゃないかと思います。」と話し、トークを締めくくりました。

16日は無事に野外上映が行われ、会場には約6500人が来場。マッドハウス時代から細田監督作品をプロデュースしているスタジオ地図の齋藤優一郎プロデューサーと、KADOKAWAの千葉淳プロデューサーによるトークや、主題歌を担当した奥華子さんのミニライブも開催され、大盛況でした。

劇場公開から10周年を記念して開催中の特別企画、スペシャルギャラリー「『時をかける少女』と東京国立博物館」は、東京国立博物館で7月31日(日)まで開催中です。

 

 

©「時をかける少女」製作委員会2006

「『時をかける少女』と東京国立博物館」

会期:7月31日(日)まで

時間:9:30〜17:00 ※ただし、水、金は20時、土、日、祝日は18時。

入場は閉館の30分前まで。

会場:東京国立博物館 本館 特別4室

入場料:無料(当日の東京国立博物館入館料が必要です)


東京国立博物館 公式サイト
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