練馬区アニメイベント
アニメプロジェクトin大泉 2017開催報告
もはや大泉の定番イベント! 街を彩るアニメの祭典!
今回で14回目の開催(改名前を含む)となった、アニメプロジェクトin大泉。雲ひとつない快晴のもと、今年もアニメにまつわるさまざまな催し物が開催されました!
会場となったのは、例年どおり大泉小学校、妙延寺、大泉風致地区公園、大泉図書館の4会場。大泉といえば、東映アニメーションというアニメ業界のトップランナーがスタジオを構え、大泉学園駅北口の「大泉アニメゲート」もすっかり地元に定着するなど、練馬区のなかでもアニメとの関わりが深い場所として知られているエリア。そんな大泉の街をあげてのお祭りに、今年もたくさんの家族連れとアニメファンが結集しました。
Pick Up!声優トークショー(ゲスト:本多真梨子さん)
明るく澄んだ本人の天然キャラクターがさく裂!
妙延寺会場では、人気声優の本多真梨子さんをお迎えしてのトークショーを実施。 本多さんは『日常』、『ロボットガールズZ』、『けものフレンズ』など多数のアニメ作品にくわえ、洋画の吹き替え、ゲーム、ナレーション、ラジオ番組など多岐にわたって第一線で活躍する声優さんです。さすがに人気の声優さんだけあって、会場には熱いファンの方々がたくさん詰めかけました。
トークの内容は「声優」というお仕事に関して。本多さんが声優を目指したきっかけは、高校生のときに観たアニメの最終話のセリフに衝撃を受け、そのセリフを「演じてみたい!」と思ったことだそうです。
お仕事での失敗談をたずねられると本多さんは、アフレコのスタジオで同じ人に二度挨拶をしてしまったという“あるある”的なお話しで会場を沸かせました。ただ、仕事で失敗したことはすぐ携帯でメモをとり、「仕事」と名づけられたフォルダに貯め、よくひとりで反省会をやっている。そうした前向きな姿勢が人気にも表れているのかもしれませんね。
「もし声優になれなかったら?」という質問に、高校生のころは保育士をめざしていたと答えた本多さん。続けて、ご両親とのエピソードを披露しました。ご両親は声優をめざすことに反対。そこでお父様と「24歳までに仕事をしていなかったらやめる」と約束。みずから課したハードルを乗り越え、苦労を重ねて声優になったのだそうです。
普段はなかなか聞くことのできない「声優」という人気職業の裏話に、お客さまも熱心に聞き入っていました。
最後は大銀杏前の客席をバックに記念撮影。あっという間の30分でした。
Pick Up!東映アニメーションプログラム トークショー
制作現場を知り尽くした、名演出家にして名製作者の登壇!
メイン会場の大泉小学校体育館では、東映アニメ60年をテーマとしたトークライブを開催。「データ原口」の異名をもつアニメ史研究家の原口正宏さんと、東映アニメーション株式会社製作部長の梅澤淳稔さんが登壇しました。
梅澤さんは現在こそ東映アニメーションの製作部長として製作セクションを統括する重鎮ですが、かつては同社の「GS(ゴーストスイーパー)美神」のシリーズディレクターや、「プリキュア」シリーズ、『虹色ほたる~永遠の夏休み~』などのプロデューサーとしても名をはせた経歴の持ち主。原口さんいわく、梅澤さんは「第一話から視聴者をぐっと掴む才気あふれる演出家であり、毎回趣向を凝らした実験的な演出に挑戦された方でもあったのだけど、その後プロデューサーとなり、現在は東映アニメ全体ににらみを利かせる立場になられた。つまり、アニメを実際につくる現場と企画・製作の現場、という東映の全セクションを、ついに全部制覇したすごい方」とのこと。そして「昨年60周年を迎えた東映アニメーションを振り返るというこのイベントに、梅澤さんほどふさわしい人はいないだろうと思った」といいます。
イベントは1983年に放映された「世界名作童話 まんがシリーズ」の「赤ずきんちゃん」のお話から。この作品は梅澤さんの演出デビュー作で、児童向けのアニメにも関わらず、非常に斬新な演出が施された意欲作。作品に携わることになったいきさつや、当時のエピソードについて、原口さんが梅澤さんにいろいろと聞いていきます。1981年に東映動画(現・東映アニメーション)第一期研修生として入社したときのことから、西尾大介さんや佐藤順一さんなど現在も第一線で活躍する同期生のお話しなどへ。同期生の皆さんは、現在の日本アニメを支えているといっても過言ではないそうそうたる面々なのですが、梅澤さんによれば当時は「同期生は多かったけどライバル心はあまりなく、楽しくやっていた」とのこと。
その後、梅澤さんは「北斗の拳」の演出などを経て、シリーズディレクターとして「キン肉マン キン肉星王位争奪編」などに携わります。「北斗の拳」のときは、同作のシリーズディレクターで今は亡き芦田豊雄さんから「1話に1回、誰も見たことのない映像をつくれ!」と厳命され、さまざまな実験を試みたといいます。さらに、声優の千葉繁さんによる同作の有名な次回予告の台本は、ほぼ梅澤さんが書かれていたとのこと。こうした制作秘話の数々に、会場にいた方々からはどよめきのような声が幾度もあがっていました。
90年代以降は、原口さんもお気に入りという「GS美神」「ご近所物語」「神風怪盗ジャンヌ」などで新境地を開拓。2000年代に入ると「ONE PIECE」や「モノノ怪」、「墓場鬼太郎」などのプロデュースを経て、「プリキュア」シリーズにもプロデューサーとして参加します。
「東映という大きい冠の下でも、親子向け作品だけでなくいろんなものをつくれる、ということを証明したかった」という、東映アニメーションを代表する作品に携わってきた梅澤さんの言葉には、強い説得力がありました。
Pick Up!「セル画体験教室」「アニメ背景教室」
第一線で活躍するプロが教える体験コーナー
今年もまた、ちびっ子たちがアニメ制作を体験できるコーナーが人気を集めていました。メイン会場となった大泉小学校中庭のテント、そしてその横の図工室の2か所です。
中庭で実施されたのは「アニメ背景教室」。ポスターカラーなどの製造・販売で知られるニッカー絵具さん全面協力で今年も実現しました。今回のテーマは「青空」で、まず画用紙に水を下地として塗り、そこに青い絵具を全面に塗ることで深みのある空を描き、その上からリアルな雲を描いていく、という流れです。講師は、テレビアニメ『NANA』『ちはやふる』などの背景も担当したアニメの背景美術・水彩画家の北英明さん。高校生以上を対象に絵のレクチャーをすることはあるものの、今回のようにちびっ子たちに教えるのははじめてとのこと。最初は少し戸惑いもあったようですが、一心不乱に空を描くちびっ子たちの熱意にも負けない、魂のこもったレクチャーで応えていました。
奥の教室では、これも毎年恒例の「セル画体験教室」が催されました。こちらは混雑時は整理券対応となっていましたが、あっという間にすべての予定時間が定員に達してしまいました。教室内では、セルに描かれた線画のねり丸に着色していくのですが、男の子も女の子も食い入るように作業に集中しているのが本当に印象的でした。なかにはお子さんそっちのけで作業に没頭するお父さんの姿も! ちびっ子たちが思い思いに描いたねり丸はどれも個性豊かで、アニメ制作の楽しさを実感している様子がひしひしと伝わってきました。
大泉小学校 会場
ちびっ子たちの大歓声がとどろくメイン会場
今回も例年どおり、練馬区立大泉小学校がメイン会場となりました。大泉学園駅から徒歩数分で行ける好立地も手伝い、当日はたくさんの親子連れが詰めかけました。
体育館には、開会式前から長蛇の列! 会場内は、ステージ前にファミリー優先となる桟敷席、その後方に自由席、そして立見席と分けられましたが、小さいお子さんを連れたご家族でどこも満席となりました。
そして開会式を待つ間に、会場にねり丸と『少年アシベ』の主人公・アシベが登場! ちびっ子たちをお出迎えするグリーティングタイムが設けられました。元気なちびっ子たちが大きな歓声を響かせながら、キャラクターたちに抱きついていました。
開会式では、まずアニメプロジェクトin大泉推進連絡会の貫井武彦会長がキャプテン・ハーロックのコスプレでご挨拶。続いては前川燿男練馬区長が登壇。「大泉は、優れた映像文化を発信し続けている日本アニメの重要拠点。そんな大泉を、今後ますますアニメを体感できる街にしていきたい」と抱負を語られました。
続いては、ちびっ子たちもお待ちかね!「キラキラ☆プリキュアアラモード」ショーです。キュアホイップ、キュアカスタード、キュアジェラート、そしてキュアショコラ、キュアマカロンの5人がステージに登壇すると、立見席まで埋め尽くされた会場から大歓声があがります! 女の子たちの夢がいっぱい詰まった伝説のパティシエ=プリキュアの大活躍に、元気な応援の声がいつまでも鳴り響きました。
午後はアニメ上映からスタート。練馬区公式アニメキャラクター「ねり丸」のシリーズアニメや練馬区PRアニメ「タイムカプセル+」が上映されました。
13時からは「東映アニメーションプログラム」として同社制作の劇場用アニメ『長靴をはいた猫』が上映されました。同作は1969年に「東映まんがまつり」のうちの一作として制作された冒険活劇で、あの宮崎駿さんが参加していたことでも知られています。スクリーンでみる迫力の映像に、子どもたちよりむしろお父さんお母さんのほうが食いつくように見入っていました。
本会場でのラストプログラムは「東映アニメーションプログラム」の一環として東映アニメ60年をテーマに語るトークショー。アニメ制作の裏側に迫るトークに、アニメファンが集まりました。(詳しい内容はこちら)
校門を入ってすぐの中庭には、ねりま観光センター、日本郵便、T・ジョイSEIBU大泉、西武鉄道、『少年アシベ GO!GO!ゴマちゃん』特設ブース、練馬区交通企画課のPRブースも設けられ、終日多くの方々でにぎわいました。
中庭の奥に設置されたテントでは「アニメ背景教室」、その横の図工室ではセル画体験教室が開催され、あっという間に整理券がなくなるほどの人気を博していました。(体験コーナーの詳しい内容はこちら)
妙延寺 会場
今年は一段とパワーアップ!屋台とステージのお祭り会場
メイン会場である大泉小学校の校門を出て、大通りをしばらく東へ進むと、毎年恒例の会場のひとつとなっている妙延寺が見えてきます。この会場では、おもに大泉学園北口ゆめーてる商店街にまつわるステージが繰り広げられました。
会場外周には、「うまいもの市」と称された商店街有志による出店がところ狭しと並び、まさにお祭り気分満点!
また、昨年に引き続きなつかしのベーゴマ大会も開催され、おじいちゃん世代からお孫さん世代まで老若男女が熱心にベーゴマを回し、熱い勝負を繰り広げていました。
そして今年は、大泉カルチャースクールによる「似顔絵コーナー」や「大学生お絵描き教室」といったイラストレクチャーコーナーなども設けられ、ステージのみならず会場内全体のアニメ・マンガカルチャー度が一段と増しました。
本堂の前に特設されたステージでは、地元商店会の出し物を軸に、今年もさまざまなショーが催されました。まずは音楽集団「おとらぼ」のライブを皮切りに、スマイリーBライブ、GL dance SHOWと続きます。
11時30分からは、声優の本多真梨子さんをお迎えしてのトークショー。本多さんは練馬区を舞台にしたアニメ『ロボットガールズZ』の主人公・Zちゃん役でも知られ、軽妙なトークが持ち味の人気声優です。今回のイベントにも多数のファンの方々がつめかけ、暑いなかにもかかわらず熱心に聞き入っていました。(詳しい内容はこちら)
午後は、地元商店街が生んだご当地ヒーロー「護街戦士ショウエイダー」のショー、毎年恒例となっている愛甲ミカさんのアニソンライブへと続きます。愛甲さんはゆめーてる商店街のテーマソングも歌っている歌手で、ここでは練馬にゆかりのあるアニメソングも披露。ステージ前に陣取ったちびっ子たちも一緒になり、振付つきで元気に歌っていました。
14時からは、ちびっ子たちが待ちに待った「キラキラ☆プリキュアアラモード」のグリーティングタイム! 会場に駆けつけたキュアホイップの前にはちびっ子とそのお父さんお母さんによる長蛇の列ができていました。そのため子どもたち全員がプリキュアと挨拶できるのか少し心配されましたが、全員お行儀よく並び、予定以上の人数の子どもたちが参加できたのがとても印象的でした。
そして16時からは「キラキラ☆プリキュアアラモード」ショー! こちらでも元気いっぱいな声援が上がりました。ショーが終わると、プリキュアたちによるダンス教室!子どもたちはオープニング冒頭の振り付けをプリキュアたちと一緒に練習。エンディングの「レッツ・ラ・クッキン☆ショータイム」は、曲に合わせてみんなで楽しく踊りました。
とても暑い一日でしたが、妙延寺境内の樹齢400年を超える大銀杏が、大きな木陰を作り出してくれるおかげで、観客のみなさんも落ち着いてショーを堪能できた様子でした。
大泉風致地区公園会場
アニメソングの吹奏楽演奏や、プリキュアショーに拍手喝采!
大泉学園町7丁目にある風致地区公園は、地域の皆さんや巡回バスでやって来たお客さまで大変な賑わいになりました。
会場のメインとなる特設ステージでは、開会式に続いて毎年お馴染みとなった、練馬区立小中一貫教育校大泉桜学園吹奏楽部の演奏が行われました。数々のアニメソングをパフォーマンスを交えながら披露。アンコール演奏も行われ、大きな拍手がわきました。続いて大泉学園中学校の吹奏楽部が登場。映画音楽やジャズの名曲で会場を盛り上げました。
午後からは『キラキラ☆プリキュア アラモード』ショーも開催。ステージ前の観客席には子どもたちが大集合!敵と戦うプリキュアたちに、大きな声援が送られていました。
会場には、『少年アシベGO!GO!ゴマちゃん』からアシベ君とゴマちゃんも登場。グリーティングが行われ、子どもも大人も記念撮影を楽しんでいました。
商店会の屋台も大盛況でした。
大泉図書館会場
漫読ライブに大興奮!アニメ教室も大盛況!
大泉図書館では、「漫読ライブ」、「パラパラアニメ体験教室」、「東映アニメ上映会」が行われました。
「漫読ライブ」を行う東方力丸さんは、《マンガを大声で朗読する》という路上パフォーマー。ひとりで何役もこなしながら大声でマンガを読み上げる姿に、集まった子どもたちも大喜びです。「ドラえもん」や「ONE PIECE」といったマンガのほかにも、『魔女の宅急便』などのアニメコミックも用意。今回は子ども向けに、絵本「ぐりとぐら」も登場しました。身振り手振りを交えつつ、時には自作の歌を披露しながらの“漫読”パフォーマンスに、明るい笑い声が絶えませんでした。
練馬区在住のイラストレーター・木村タカヒロさんを講師に迎えた「パラパラアニメ体験教室」では、プロのアニメーターも使用するトレス台とタップ、動画用紙が用意され、数枚の絵を使ったアニメ作りに挑戦しました。参加した子どもたちは、木村さんのアドバイスを受けながら絵を描いていきます。できあがった作品は、タブレットPCで撮影してその場で観賞。子どもたちの柔軟な発想には木村さんも驚くほどでした。自分の描いた絵がアニメになるという体験をきっかけに、将来のアニメーターが生まれるかもしれませんね。
午後からおこなわれた「東映アニメ上映会」では、『映画 おジャ魔女どれみ#』、『映画 も~っと!おジャ魔女どれみ カエル石のひみつ』、『劇場版 ゲゲゲの鬼太郎 日本爆裂!!』の3本を上映。会場には、大泉図書館が所蔵するアニメーション関連書籍を紹介するコーナーも設置されていました。これらの書籍は貸出も可能です。
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