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人気声優3人が落語に挑戦!「立川志ら乃 ギンギンナイト ~志ら乃・井上・田中の会~」が東京千代田区で開催されました。
2015年12月07日
(左から)関智一さん、田中敦子さん、井上喜久子さん、立川志ら乃師匠
11月15日(日)東京千代田区の内幸町ホールで「立川志ら乃 ギンギンナイト第二夜 ~志ら乃・井上・田中の会~」が開催されました。
この落語会は、落語立川流真打の立川志ら乃師匠が、国立演芸場の「花形演芸大賞」の銀賞を受賞したことを記念して開かれたもの。
かねてより立川志ら乃師匠と交流のあった声優の井上喜久子さんと、井上さんと親交の深い田中敦子さんが落語に挑戦することになりました。
また、志ら乃師匠の弟子でもある関智一さんも急遽参加がきまり、人気声優が集う落語会となりました。
続いて田中敦子さんが登場。演じるのは「看板のピン」という、鉄火場を舞台に若い男が親分を手本に一儲けを企む噺です。田中さんの張りのある声が通り、鉄火場の雰囲気が会場に伝わります。まるで昔の任侠映画のように、鉄火場の男たちを田中さんが粋に演じました。
田中さんの後は、立川志ら乃師匠と井上喜久子さんによる「反対俥(はんたいぐるま)」。2人が同一に出演するのではなく、リレーのように前半を志ら乃師匠 が、後半を井上さんが演じました。井上さんは自身のファンクラブ「アットマンボウ」や出演作『ああっ女神さまっ』をくすぐりに取り入れて観客を沸かせまし た。
仲入りをはさみ、関智一さんによる「親子酒」。酒好きの親子が断酒を誓い合うが、耐えきれなくなった父親は息子のいない間に酒を飲んでしまう。酔っ払い親子のやり取りがテンポ良く展開し、会場中が笑いに包まれました。
トリを飾るのは立川志ら乃師匠。漫画「昭和元禄落語心中」が2016年1月よりテレビアニメ化することを受け、同作を題材にした新作落語「雲八」を披露。真打ちお披露目の日に破門になった雲八が、芸に目覚め芸を受け継ぐ人情噺を演じ会を締めました。
高座終了後、4人に感想をお聞きしました。
――どんなきっかけで、落語に挑戦しようと思ったのでしょうか?
関:僕は東京・深川の生まれなんです。下町生まれをアピールしてたので、落語が出来たらいいなと軽い感覚で興味を持ってて時折寄席を見に行ってまし た。そんな時にたまたま志ら乃師匠とイベントでご一緒して、弟子にしてあげてもいいよという話があって弟子入りしたのがきっかけですね。自分のキャラ的に プラスになるかも、と損得勘定もあって(笑)やり始めました。でも師匠とも話したんですけど、こんなに関連したお仕事が増えると思ってなかったですね。損 はなくて、得ばかりいただいて、やってよかったと思っています。
井上:声優として色々な勉強をしたいと思ってるときに、羽佐間道夫さんの落語会を聞きに行ったことがありました。話芸の凄さを感じて、落語に興味を持ち始めたんですね。そしてひょんなことから志ら乃師匠と出会い、落語を指導していただくようになりました。
田中:私はNHK朝の連続テレビドラマの「ちりとてちん」が大好きで、毎日見ていました。そのドラマをきっかけに落語に興味がわいたんですが、落語 をやりたいと思っても始められないですよね。それでお三味線を始めたりしてみて。井上さんのご紹介で師匠とお知り合いになれたので一度やらせていただきた いと思いました。
――実際に演じられてみて、いかがでしたか?
関:僕は去年一度やらせていただいたので、今回感じたのは2回も出来た、ということですね。もう一度やれるとは思っていませんでした。アニメ「落語心中」に参加したお陰で師匠と久しぶりに再会し、今回の会に半ば強引に入れさせていただきました。今後も続けていけるかもしれないと期待しつつ、もう少しちゃんとやっていきたいなと思いました。
志ら乃:今回はちゃんとやってなかった、と(笑)。でも関さんの落語を聞いて前座が肝を冷やしてましたよ。
関:そんな風に見せないようにしてますけど、実は本番前に2回練習したんですよ。意外と真面目なんです(笑)。
志ら乃:舞台の演劇とは違うの?充実感とか。
関:そうですね。充実感をスポーツに例えると、野球の大会と陸上競技の違いがありますね。演劇は野球で、「みんなでやったぜ」という充実感。落語は「俺はやったぜ」という。昔、陸上競技の長距離走をやっていたんですよ。その感覚に似てますね。
――井上さんはいかがですか?
井上:まさか自分が出来ると思わなかったですね。難しいという先入観があったんですが、やればやるほど奥が深いものでした。ちょっとした間の取り 方、言い方で面白くもつまらなくもなる。言葉を操る魔法みたいなものを、練習で師匠からアドバイスをいただくたびに新鮮な驚きがありました。勉強になる な、という気持ちでやらせていただきました。またいつか勉強できたらいいなと思います。
――もう1回挑戦するとしたらいかがですか?
井上:もう1回やれたらいいですよね。
志ら乃:これは「やらない」ってことですね(笑)。
井上:そういうことじゃないです!でも、無理って最初は思っていたことがチャレンジ出来たので、私たちはこれからどうなることやら?
志ら乃:なんで謎を残すの(笑)!
――ありがとうございます。田中さんはいかがでしたか?
田中:初めての高座だったので緊張しましたね。後半の会話が結構飛んでしまいました。喋ってる内に脳内の雲行きが怪しくなってきて…どうしようかな と思うよりも「続けなきゃいけない!」っていう気持ちが働くんですよね。噺を着地させることに頭を巡らせました。終わった後も、キコちゃんや関さんの落語 を聞きながらずっと反省してて…
志ら乃:失敗しろ失敗しろって祈りながら?
田中:違いますよ~!でも「看板のピン」を知ってるお客様が「違和感なく聴けたよ。」と言ってくださったのでほっとしましたね。
志ら乃:合う噺ってあるんですよ。自分でもありますから。苦手だな、とか得意だな、とか。今回の噺は敦子さんにとって苦手だったのかもしれないですね。だから今後、これだったら喋れるっていう噺も見つかると思います。
――志ら乃師匠、皆さんの高座はいかがでしたか?一言ずつお願いします。
志ら乃:敦子さんは本番のテンションが良かったですね。間違えても、あ!っていう顔をしなきゃお客さんには分からない。台本見ながら噺を聞いてるわ けではないですから。やっちゃえばそれが正解になるんです。それをやってくださいと稽古場で常々言ってきました。稽古中だと止まっちゃう時もあるんですよ ね。でも今日の敦子さんを見て「やってるやってる、適当につないでる、この人」って思いました。この適当につなぐことがすごく大事なことなんです。
田中:「ふ・あ・ん」っていう3文字が見えたでしょ。
志ら乃:見えました。でもこういう時に、ぽんといいアドリブが出たりするんですよ。キッチリ芝居を作るとそこから抜け出せないんです。でも敦子さんは話をつなぐことが出来てたので、大丈夫だなと思いました。
――井上さんの高座はいかがでしたか?
志ら乃:喜久子さんの場合は、稽古で一回つかんだんですよ。落語というのは、「唄を歌う」ようなものなんです。芝居を台詞でやってくものではない。 それを稽古で理解したんですよね。喜久子さんの持ちネタで「しゃぼん玉ソング」っていう…適当に歌を歌いだすのがあるんです。メロディも歌詞も適当につけ て歌うんですが、それは誰でも出来ることではないんですよね。喜久子さんにはその能力があるので落語も出来ると思っていました。今日やっていてシンクロし たでしょ?
井上:そうですね。
志ら乃:つかんでから急に変わりましたね。あとはウケたい欲がどんどん出てきて。この人貪欲だ、エンターテインメントだ!と思いました。
――関さんの高座はいかがでしょうか?
志ら乃:損得勘定で生きてる男はね(笑)、本番で持ってく能力の高さが凄いですよね。枕も本編にリンクするネタを仕込んでて。落語はネタの内容より もリズムとメロディーということを繰り返し言ってきたんです。関さんは落語の調子で喋ってたので、出来るとは思ってたけど、予想を超えました。この人に教 えるのはもうよそうと思いましたね。
関:いやいやいやいや。
志ら乃:笑いが欲しいところでちゃんと反応があるから、今絶対気持ちいいだろうなと思って。やってて気持ち良かったでしょ?
関:そうですね、でも反応があんまり良くないところもあったので、意識してるとうまくいかないなと反省しました。
志ら乃:貪欲だね。
関:余計なこと考えちゃうとダメですよね。
志ら乃:そう、どういうわけかお客さんに見抜かれちゃうんですよ。面白いでしょ、て顔をしちゃうんです。でも関さんの落語を聞いて、(力がありすぎて)どうしようと思いましたね。彼を潰しにかからないと、と(笑)。
関:師匠がやった「雲八」みたいな、僕が志ら乃になるっていうのを目標にやってましたから。
志ら乃:いい刺激でした。
――ありがとうございました。
ゲストプロフィール
■立川志ら乃(たてかわしらの)
落語家。1974(昭和49)年生まれ。
1998(平成10)年5月立川志らくに入門。2003(平成15)年5二つ目昇進し、2005(平成17)年NHK新人演芸大賞を受賞。2012(平成24)年12月真打に昇進した。2015(平成27)年国立演芸場花形演芸大賞銀賞受賞。
■井上喜久子(いのうえきくこ)
声 優。神奈川県出身。主な出演作に「ああっ女神さまっ」(ベルダンディー)、「らんま1/2」(天道かすみ)など。「お姉ちゃん」の愛称で親しまれている。 柔らかい声質で清楚な女性を演じることが多いが、少年役から悪女役まで幅広い役柄を演じる。2015(平成27)年10月より放送の「ヴァルキリードライ ブ マーメイド」に風巳とりの役で出演中。
■田中敦子(たなかあつこ)
声優。群馬県出身。主な出演作に「攻殻機 動隊」シリーズ(草薙素子)や、洋画吹替でニコール・キッドマン、グウィネス・パルトロー、モニカ・ベルッチなどの声を担当。低音の力強い声でクールな女 性役を得意とする。2015(平成27)年10月より放送の「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」にアミダ・アルカ役で出演中。
■関智一(せきともかず)
声 優。東京都出身。主な出演作に「ドラえもん」(骨川スネ夫)や「妖怪ウォッチ」(ウィスパー)など。コメディからシリアス、二枚目まで多彩な役柄を演じ る。2016(平成28)年1月より放送の「昭和元禄落語心中」与太郎役で出演。2014年(平成26)年4月、イベントで共演した立川志ら乃師匠の弟子 となる。
「立川志ら乃・関智一 二人会(仮)」
公演日:2016年3月27日(日)
会場:新宿レフカダ
立川志ら乃師匠、関智一氏による二人会の開催が決定いたしました。
詳しくは立川志ら乃師匠ブログに後日アップ予定です。
立川志ら乃師匠ブログ
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