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2015年09月01日

練馬区が舞台に!? TVアニメ『実は私は』山本靖貴監督インタビュー

隠し事が出来ない高校生・黒峰朝陽(くろみね あさひ)と、実は吸血鬼、実は宇宙人といった秘密を持つヒロイン達が繰り広げる“ちょいアホ人外ヒロインラブコメ“TVアニメ『実は私は』が、現在大好評放送中です。
実は、この作品の舞台は…ところどころ練馬区をモデルにしています。
5話では中村橋や、としまえんが描かれました。ねり丸も時々登場しています。
今回は、この『実は私は』を手がけられた、山本靖貴監督にお話を伺いました。

山本監督について

  • −−どんなきっかけで、アニメーションの世界へ入られたのでしょうか?
  • 最初からアニメを目指してたのではなく、学生時代は絵の仕事につきたいなと思っていたんです。ただ、その頃、小説の表紙や挿絵を描かれていた、いのまたむつみ*1さんのようなアニメ出身のイラストレーターさん達の絵が好きだったので、一度アニメ業界を経験してみようと思ったのがきっかけですね。でも、実際にアニメの仕事をするようになってから、絵を描くよりも作品を作る方に興味を持ったんです。原画として、1つの作品を分担して受け持つようになってから、自分のパート以外のところを見ると、「俺ならここはこうするのに」って思うようになったんです。やはり、1本の作品の全体に関わりたいと。そうするうちに、演出をやってみたいと思うようになりました。

  • −−演出、監督として活躍されていますが、心がけていることはありますか?
  • 見ている人に「これは!」と注目してもらえるような作品になる様に考えています。ただ企画に頼るのではなく、キャラクターのドラマをしっかり描くのを基本に、見ている人が誰でも楽しめる作品にしたいですね。今は決まったターゲットに向けた作品が多いのですが、もっと幅広くいろいろなジャンルの作品をやってみたいですね。オリジナル作品にもチャレンジしたいです。

『実は私は』の制作について

  • −−本作の監督をすることになったのは、どのような経緯だったのでしょうか?
  • 昨年、『実は私は』と同じTMS*2さんの作品で、子供向けの『ヒーローバンク』*3という1年物の作品を監督したんです。純粋に子供が楽しめる作品で、現場もとても楽しかったんですが、次はガラッと違う恋愛ものなんかがやりたいなって話を、プロデューサーとしていたんですよ。そうしたら、TMSで準備しているラブコメ作品があると紹介されたのが『実は私は』だったんです。それで原作を読ませてもらったんですが、今時珍しく、主人公がしっかり描かれていて、登場するキャラクターも個性的で魅力だなと。ヒロインはたくさんいるけど、ハーレムものではなく、恋愛が真面目に描かれている。アニメとして動かすことで、この作品がより面白くなるんじゃないかと思いました。

  • −−本作を監督するにあたり、どのような点を大事にされていらっしゃいますか?
  • キャラクターを原作以上に活き活きと魅力的に描き、見ている人に好きになってもらえるように考えています。TVアニメはどうしても放送する話数が限られています。なので原作の増田英二*4先生ともお話して、アニメでは話の順序にとらわれず、ボリュームのある原作から面白いエピソードを選んで、より面白くするように考えました。主軸である、朝陽と葉子と委員長の三角関係のドタバタ加減は自分も好きな設定ですので、より強く推しています。
  • −−魅力的なキャラクターが揃っていますが、それぞれのキャストについてお聞かせください
  • 主人公の朝陽は、演技力が大事な役なんです。かといって、馴れた感じではなくフレッシュさが欲しい。純粋で、守ってあげたくなるような可愛さのある芝居ができる方。これは花江夏樹*5さんしかいないなと、すんなりと決まりました。花江さんはアフレコ現場で全力で芝居をしてくれて、他のキャストを引っ張ってくれています。スタジオがとても良い雰囲気になっています。

    葉子役の芹澤優*6さんは声が特徴的なんですが、素の芹澤さんが持っている天真爛漫な雰囲気が出ていて、葉子というキャラクターにピッタリ合っている思います。芹澤さんの演じる葉子のアホさがすごく可愛いくて、この作品を見ている皆さんからも好評です(笑)

    実は今回の女性キャストの皆さんは、今までにやったことがないタイプの役ばかりなんです。委員長(渚)役の水瀬いのり*7さんも、普段は柔らかい女性キャラを担当する事が多いので、最初は戸惑われていましたが、「委員長は、頑固さと、パニック時に崩壊するギャップに可愛さがあるんです」と説明したら上手く掴んでくれました。

    原作では、アニメ以上に「ゲスい」みかんですが、だんだんとヒロインっぽくなっているんです。なのでアニメでは「ゲスさ」を控えた感じにしています。上田麗奈*8さんは、嫌な事はするけれど嫌味のないキャラクターを上手く演じてくれています。おかげでアニメ版みかんは、だいぶ好感度が高いですね。

    獅穂役の内田彩*9さんは、セクシー系をお願いして良いのかな?って思うくらい真面目でおしとやかな感じなのですが、獅穂というキャラはセクシーさの中にも純情さがあったりするので、その辺りを内田さんのニュアンスで上手く演じていただいています。獅穂がセクシーさを楽しんでる感じも、上手く出ていると思います(笑)

    茜はこの作品の中で一番とんでもない存在感のキャラクターで難しい役どころですが、M・A・O*10さんは茜の可愛らしさと悪魔的な凄味のギャップの演じ分けが上手いです。本人はホワンとした感じですので、悪魔っぽい笑い方を表現するのに最初は苦労されていました。

    あかりは担任教師で1話から登場してしていますが、新田恵海*11さんには今は抑えた演技をしてもらっています。本領を発揮するのはこれからですが、今までの新田さんとはだいぶイメージが違うと思います。

エンディングには、ねり丸も登場!

  • −−音楽は、オープニングもエンディングも作品内容にぴったりですね。
  • 今回は一度打合せをさせてもらったんです。作品の内容を説明したり、歌詞や曲調まで細かくリクエストさせてもらったので、上がって来た曲は自分のイメージにピッタリでした。エンディングのHilcrhyme*12さんは歌詞の中にタイトルが入っていて、ここまでしてもらっていいのかな?と驚くくらいです。作品のことを理解してもらえたんだなと思います。男性向けの作品で、主題歌が男性ボーカルでヒップホップっていうのも珍しくて、話題になって良かったです(笑)

山本監督と練馬区

5話に登場する中村橋の商店街

  • −−監督と練馬区の関わりは、どこから始まったのでしょうか?
  • 僕は愛知から上京してからずっと練馬に住んでいるんですよ。練馬区はアニメ会社が集中していますし、僕が最初に入ったアニメ会社も練馬だったんですよ。引っ越しはしてますが、もう17年間練馬に住んでいます。住宅地だけど自然も多くて、東京だけど東京っぽくない所が良いですね。とても住みやすいです。好きなのは光が丘ですね。街がとても整理されている都会らしさと、広い公園が気に入っていて、良く遊びに行きます。

6話に登場する中村橋駅

  • −−『実は私は』では、どういった経緯で練馬区の風景が登場することになったのでしょうか
  • 原作では特に場所が限定されていないんです。アニメにするにあたり、どこかを参考にしたいと考えました。そこで思い浮かべたのが自分が住んでいる練馬だったんです。話の中に遊園地も出てくるので、としまえん*13はぴったりだなと。練馬はアニメとの関わりも深いので協力してもらえるんじゃないかと思って相談させてもらいました。

5話に登場する遊園地は、としまえんがモチーフに

  • −−5話に出て来るとしまえんは、実際にロケハンをされたとお聞きしました
  • ジェットコースターやお化け屋敷を特に念入りに見させてもらいました。あとは、デートをする話なので、シチュエーションの確認をしています。5話に関しては、ほとんど資料として撮った写真を元に作っています。また、実在の遊園地ですから、作品を見てくれたファンにも、実際に行って楽しんでもらえるんじゃないかと思います。9話に出て来るプールも、としまえんのプールなんですよ。
  • −−これからの展開の見どころをお願いします
  • 原作でのこれからの盛り上がりに加え、終盤にはアニメオリジナルの要素も入って来て、原作を知っている人も驚くような展開になっています。原作ファンもアニメから見始めた人も、同じように盛り上がっていただけると思いますので、これからのストーリーをお楽しみに!

『実は私は』

隠し事が出来ない高校2年生の黒峰朝陽。
彼には、密かに想いを寄せる相手がいた。
ミステリアスなクラスメイト、白神葉子。
しかし、実は彼女は……吸血鬼だったのだ!!
しかも、正体がバレたら即退学‼
そんな葉子の正体を知った朝陽と、バレてしまった葉子は、一緒に高校生活を続けるため、「秘密がバレたことを秘密にする」決意をする。
だが、学校では一筋縄じゃいかない秘密を持ったヒロイン達が、ノンストップで大暴れ‼
朝陽は本当に秘密を守りきれるのか!?

『実は私は』は、7月よりテレビ東京ほかにて放送中です!
公式サイト http://jitsuwata.tv/

*1 いのまたむつみ
アニメーター出身のイラストレーター、漫画家。小説・『宇宙皇子』シリーズや『風の大陸』の挿絵、『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』『ブレンパワード』のキャラクター原案など、多岐にわたって活躍している。

*2 TMS(トムス・エンタテインメント)
アニメーション制作会社。代表作に『名探偵コナン』『それいけ!アンパンマン』『弱虫ペダル』『ルパン三世』等がある

*3 ヒーローバンク
セガが発売したニンテンドー3DS用ゲームソフトを原作にしたTVアニメ。2014年4月~2015年3月までテレビ東京系列で放送。TMS制作。

*4 増田英二
『実は私は』(2013年から連載中 既刊11巻)の原作者。2007年に週刊少年チャンピオンの新人まんが賞奨励賞を受賞。代表作に『透明人間の作り方』(全1巻)、『さくらDISCORD』(全8巻)がある。

*5 花江夏樹
主人公・黒峰 朝陽(くろみね あさひ)を演じる。練馬を主な舞台にしたTVアニメ『四月は君の嘘』の有馬公生役が記憶に新しい。

*6 芹澤優
実は吸血鬼のヒロイン・白神 葉子(しらがみ ようこ)を演じる。アイドルユニットi☆Ris(アイリス)のメンバーとしても活動している。

*7 水瀬いのり
実は宇宙人の委員長・藍澤 渚(あいざわ なぎさ)を演じる。テレビドラマ『あまちゃん』(2013)には成田りな役として出演。練馬区が舞台の『ロボットガールズZ』(2014)では、グレちゃん役を務めている。

*8 上田麗奈
朝陽の幼馴染・朱美 みかん(あけみ みかん)を演じる。声優ユニット「アニソニア」のメンバーとしても活動。第9回声優アワード新人女優賞を受賞した。

*9 内田彩
葉子の幼馴染・紫々戸 獅穂(ししど しほ)を演じる。『ラブライブ!』に登場するアイドルグループ「μ’s」(ミューズ)のメンバー・南 ことり役でも活躍。第9回声優アワード歌唱賞を「μ’s」の一員として受賞。

*10 M・A・O
朝陽や葉子の通う学校の校長。実は年齢数千歳の悪魔・紅本 茜(こうもと あかね)を演じる。女優・市道真央として「海賊戦隊ゴーカイジャー」のルカ・ミルフィ / ゴーカイイエローなどでも活躍している。

*11 新田恵海
朝陽や葉子の通う学校の教師・紅本 明里(こうもと あかり)を演じる。『ラブライブ!』の主人公・高坂 穂乃果役で、アイドルグループ「μ’s」(ミューズ)のメンバーとしても活動している。

*12 Hilcrhyme(ヒルクライム)
『実は私は』のエンディングテーマ「言えない言えない」を歌う、TOCとDJ KATSUの二人によるラップ・ユニット。この曲の作詞はTOCが担当している。

*13 としまえん
西武豊島線豊島園駅に隣接する遊園地。

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