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「第19回 文化庁メディア芸術祭 受賞作品展」国立新美術館で開催中です

2016年02月05日

今回で19回目となる「文化庁メディア芸術祭」の受賞作品展が、港区の国立新美術館で開催中です。

アート、エンターテインメント、アニメーション、マンガの4部門において、優れた作品を顕彰し、受賞作品の鑑賞機会を提供することを目的とした、メディア芸術の総合フェスティバルとして平成9年度から毎年行われています。

今回は、2月2日に行われた内覧会の様子をお伝えします。

 

 

左から東村アキコさん、ボリス・ラベさん、岸野雄一さん、チュン・ワイチン・ブライアンさん

本年度は世界87の国と地域から、過去最大となる4,417の作品の応募がありました。

厳正な審査で大賞に選ばれたのは、

 

 ■アート部門

 『50 . Shades of Grey』(グラフィックアート) チュン・ワイチン・ブライアンさん(英国)

■エンターテインメント部門

 『正しい数の数え方』(音楽劇)  岸野 雄一さん(日本)

■マンガ部門

 『かくかくしかじか』  東村 アキコさん(日本)

■アニメーション部門

 『Rhizome』(短編アニメーション)  ボリス・ラベさん(フランス)

 

 の4作品。

左から清水勲さん、小田部羊一さん、上村雅之さん、飯村隆彦さん

そして、日本のメディア芸術界に大きく貢献した方に贈られる功労賞には、

 

■映像作家/批評家

 飯村隆彦さん

■ハードウェア開発者/ビデオゲーム研究者

 上村雅之さん

■アニメーター/作画監督/キャラクター・デザイナー

 小田部羊一さん

■漫画・諷刺画研究家

 清水勲さん

 

の4人が選ばれました。

会場はアート部門、エンターテインメント部門、アニメーション部門、マンガ部門の4つのブロックに分かれ、大賞、優秀賞、新人賞など、120点が紹介されています。 内覧会では、作品展示スペースで、作者自身が挨拶や解説をするケースもありました。


『50 . Shades of Grey』 ©2015 Bryan wai-ching CHUNG

まず最初に展示されるのはアート部門。

大賞を受賞したチュン・ワイチン・ブライアンさんの『50 . Shades of Grey』は、コンピュータのプログラミング言語を使用した作品。

現在ではほとんど使用されなくなったプログラミング言語であるLingo、ActionScript、Lisp、Pascal、Fortran、Basicを用いて、まったく同じ黒から白への50階調のグラデーションを制作。

その6つのソースコードを額装し、これまでに開発されてきたプログラミング言語の盛衰を表現した作品になっています。

この他にも、インスタレーションやパフォーマンス、映像など、多彩な作品が紹介されています。

次はマンガ部門の展示です。

大賞を受賞した『かくかくしかじか』は、東村さんの自伝的作品。

主人公は、絵が上手いとうぬぼれている高校3年生の林明子。美大入学を目指し美術教室に通うことに。その美術教室の主催・日高は、明子のデッサンを見るなり「下手くそ」と言い切ります。明子は竹刀とアイアンクローのスパルタ指導を受けながら、日高先生と二人三脚で美大合格を目指す――。

自分の人生に大きな影響を与えた恩師との思い出の数々をちりばめながら、女性版『まんが道』をテーマに描いたという東村さん。

「受賞のお知らせをいただいて驚きました。アシスタントのみんなとバンザイをしました。この作品を読んだ事がない方にも、この機会にぜひ読んでいただけたらと思います」と挨拶されました。

 

この展示スペースでは、東村先生直筆の主人公・明子を見る事も出来ます。

この他、優秀賞の『淡路百景』(志村貴子)、『弟の夫』(田亀源五郎)、『機械仕掛けの愛』(業田良家)『Non-working City』(HO Tingfung/ポルトガル)の他、新人賞の『町田君の世界』(安藤ゆき)、『たましいいっぱい』(おくやまゆか)などを紹介。

生原稿やネーム、執筆道具等の制作資料も展示されています。

続いてエンターテインメント部門。

大賞の『正しい数の数え方』は、子どもたちのための音楽劇であり、人形劇+演劇+アニメーション+演奏という、複数の表現で構成。古来から存在する人形劇というアナログな手法と、インタラクティブなテクノロジーが融合する、舞台芸術の可能性の拡張に挑んだエンターテインメントとして評価されました。会期中には毎日公演が行われる予定です。(詳細は公式サイトでご確認下さい)

 

 

優秀賞の『Solar Pink Pong』は、体験型のストリートビデオゲーム。野外の電柱などに設置された装置は、太陽光で発電し、コンピュータ制御された鏡で、路上にピンク色の光の球を映し出します。プレイヤーは自分の身体と影を使って、この反射光と遊ぶことが出来るようになっています。

 

この他にも、様々なゲームやインタラクティブインスタレーション(様々な素材を組み合わせて配置・構成した「空間」を観客が体験する作品)が紹介されており、実際に参加することも可能です。

 

作者のボリス・ラベさん(上)
『Rhizome』 ©Sacrebleu Production

最後は、アニメーション部門。 大賞を受賞した『Rhizome』は、約11分の短編作品。

このタイトルは、フランスの哲学者ドゥールズと精神科医ガタリによる著作「千のプラトー」で複雑に展開する「リゾーム」の概念から付けられています。

作品は、仮想のスケール空間の中で、生物とも無機物ともつかない抽象的な形態が、常に変化し広がっていく様を表現。ドローイングとデジタル合成を組み合わせ、ズームバックの1カットで見せる映像です。上映スペースも設置されています。

作者のボリスさんは、「自分の作品を日本で紹介するのは初めてです。原画や、制作プロセスも展示しています。皆さんに作品を見ていただけるのが楽しみです」と話していました。

 

「ロトスコープ」と、「セルルック3DCG」の組み合わせを解説するパネルなどを展示

優秀賞4作品、新人賞3作品の展示スペースも設置されています。

優秀賞の『花とアリス殺人事件』は実写映画で名を馳せる岩井俊二さんが監督。

転校生のアリスと引きこもりのハナ。ふたりの少女の出逢いと冒険を描いており、2004年に岩井さんが自ら監督した『花とアリス』の前日譚となる作品です。

こちらのスペースでは、本作で使われた制作技法「ロトスコープ」(実写で撮影した動画をもとにアニメーションとして描き起こす)と、セルアニメの質感を追求する「セルルック3DCG」の組み合わせを説明するパネルなどを展示しています。

新井陽次郎監督

新人賞の『台風のノルダ』は、スタジオジブリでアニメーターとして活躍していた新井陽次郎さんの劇場作品監督デビュー作品。

とある離島の中学校を舞台に、文化祭前日に発生した超大型台風の中に現れた少女と、彼女を助けようと奮闘する少年たちの物語です。

新井監督は「この作品は、2011年に出来たスタジオコロリドという会社でつくりました。僕も含め20代のスタッフが中心になって挑戦した作品です。今回の受賞はとてもビックリしました。ありがとうございます」と挨拶。

展示スペースでは、絵コンテや設定画などの制作資料が紹介されています。

制作資料の展示(上)/上村さんと小田部さん(下) 

会場の中央には、功労賞受賞者を紹介するコーナーが作られています。

今回の受賞者には、本サイトの練馬ほっとキャストにも登場いただいている、小田部羊一さんもいらっしゃいます

小田部さんは、東映動画(現・東映アニメーション)で『太陽の王子 ホルスの大冒険』(1968)などで原画を担当。『空飛ぶゆうれい船』(1969)では初の作画監督を務めます。退社後の1974年には『アルプスの少女ハイジ』のキャラクターデザインを担当されました。

その後も活躍を続け、1985年に開発アドバイザーとして任天堂に入社。今回同時に功労賞を受賞した上村雅之さんと共に、「スーパーマリオブラザース」の開発に関わりました。

おふたりの紹介コーナーは並んでおり、小田部さんのコーナーには貴重なアニメーション原画やキャラクター表などの制作資料を展示。上村さんのコーナーには、これまで開発に関わったゲーム機などが展示されています。

また6日にはお二人による功労賞シンポジウム 「テレビゲームの時代:世界へ羽ばたく日本のゲームとアニメーション」も開催されます。(詳細はフェスティバルサイトをご覧ください)

今回の展覧会では、一部を除いて撮影が可能です。(ただし、フラッシュの使用と動画の撮影は禁止)

また、周辺の施設でも関連イベントが展開しています。(詳細はフェスティバルサイトをご覧ください)

「第19回 文化庁メディア芸術祭 受賞作品展」国立新美術館で2月14日(日)まで開催中です。

「第19回 文化庁メディア芸術祭 受賞作品展」

会場:国立新美術館(東京都港区六本木7-22-2)

会期:2月14日(日)まで

休館日:2月9日(火)

開館時間:10:00~18:00、金曜日は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)

観覧料:無料


「第19回 文化庁メディア芸術祭 」フェスティバルサイト

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