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2016年01月15日

ふるさと文化講座「東映アニメーションのマルチ撮影台」が開催されました

練馬区立石神井公園ふるさと文化館で2015年12月13日、アニメーション用マルチプレーン撮影台(練馬区登録文化財)を使った講座「東映アニメーションのマルチ撮影台~実演と講演~」が行われました。この撮影台は、かつて東映動画(現・東映アニメーション株式会社)で使用されていたもので、現在はふるさと文化館に常設展示されています。


吉村次郎さん

講師は、元・東映アニメーション撮影監督の吉村次郎さん。
吉村さんは、1961(昭和36)年に東映動画に入社。『わんわん忠臣蔵』(65)『太陽の王子 ホルスの大冒険』(68)『さらば宇宙戦艦ヤマト‐愛の戦士たち‐』(78)『地球へ…』(80)などの劇場作品に参加されたほか、TV作品も多数手がけています。2012年の東京アニメアワードでは、撮影監督として功労賞を受賞されました。

講演の様子

当日の講座には、約40人が参加。展示室でマルチプレーン撮影台の解説と実演が行われた後、多目的会議室に移動して講義が行われました。この記事では講義の内容を中心にお伝えします。
吉村さんは、フィルムでのアニメーション制作に絞り、「アニメーション撮影」はどのような仕事であるかをお話しされました。

アニメーションの撮影について

アニメーションは、動きや変化を想定して準備した絵や人形などを、少しづつ位置や形をずらしながら1コマづつ撮影し、これを再生することで動きや変化を『創り出す』映像です。
まずは、初期のアニメーション技法であるドローイングや水彩、油絵、墨絵、パステル画などを使ったペーパーアニメーションをはじめ、影絵アニメや砂絵アニメ、フィルムを直接使ったシネカリなどを簡単に紹介。ペーパーアニメーションでは、キャラクターと背景を1枚の絵の中に一緒に描いていましたが、セルロイドの発明によりキャラクター等を描く透明なセルと、背景画を分けて描くセルアニメーションが誕生。背景画を何度も描き直す必要がなく量産が可能になり、アニメーションの主流になっていったことを説明されました。

アニメーション撮影に使われていたカメラも展示

吉村さんは、「アニメーション撮影」のポイントは視覚情報としての「形状の操作」と「質感操作」、それと「時間軸操作」だと語ります。
視覚的操作としての形状操作には、各種カメラワークや画面割り、セルワーク、マスクがけなどがありますが、被写体素材の大きさによる制限があります。
質感操作にはフォーカスや色彩、各種フィルターワーク、照明や透過光、写真的処理や現像処理などがあり、こちらには被写体の制限が無いため、様々な工夫と表現の余地があるそうです。
時間軸操作には、オーバーラップ、ワイプ、アイリスなど各種編集効果、カメラワークのタイミングなどがあり、視覚的操作と絡めながら、表現方法や撮影の技術は進化してきたと言います。
そして、更なる表現を創り出す為に、マルチプレーン撮影台が開発されました。

マルチプレーン撮影台の役割

東映動画(現・東映アニメーション)で使われていたマルチプレーン撮影台

これは、複数のセル画や背景画をカメラに対して異なる距離に配置することで、空気遠近法に似た、奥行きのある画面を創り出すことが出来ます。
また、カメラ用フィルターに加えて、ガラスに油や透明絵具でイメージを描いたり、セルに紙やすりで傷をつけた手作りのフィルターが使用できるのも、マルチプレーンカメラの魅力だと語ります。撮影時に透過光と組み合わせ、ファンタジックなシーンや自然現象などの表現に使う事ができるため、撮影スタッフもフィルター効果をいろいろと研究したそうです。

このマルチプレーン撮影台を使うときは、画を置く台ごとに一人ずつ担当が付き、ライティングやカメラの担当者を合わせると、7~10人くらいの人数が必要だったとか。また、撮影の準備は1日がかりで、撮影にも通常の数倍の時間が掛かったそうです。
マルチプレーン撮影台を使った実演では、簡易的に背景やセルを撮影台にセット。遠近感のある画面の解説や、フィルターによる効果の違い等が紹介されました。

このマルチプレーン撮影台は、石神井公園ふるさと文化館に常設展示されています。
常設展示案内のボランティアスタッフには、東映動画OBもいらっしゃるので、お会い出来れば説明を聞くことも出来るそうです。
  • ※今回の講演は、動画でも紹介しています。こちらからご覧ください

練馬区立石神井公園ふるさと文化館

住所 東京都練馬区石神井町5-12-16
電話番号 03-3996-4060
開館時間 9:00~18:00
休館日 月曜日(月曜日が祝休日のときは、その直後の祝休日でない日)、年末年始(12月29日~1月3日)、臨時休館日
入館料 常設展示 無料(※特別展観覧料は有料)
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