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練馬区アニメイベント

アニメプロジェクトin大泉 2018開催報告

さわやかな初夏の風吹く大泉で、恒例のアニメ祭り開催!

大泉の恒例行事となった《アニメプロジェクトin大泉》も、今回で15回目(改名前も含む)。心地よい初夏の陽気のもと、今年もアニメにまつわるさまざまなイベントが催されました。
会場となったのは大泉小学校、妙延寺、大泉風致地区公園、大泉図書館の4カ所。大泉といえば、アニメ業界を代表する東映アニメーションのスタジオがあり、多くのクリエイターが拠点とする、練馬区内でもアニメとのかかわりが深いエリア。そんな大泉にすっかり定着した感のあるこのイベントに、今年もたくさんの家族連れとアニメファンが集まりました。

Pick Up!トークショー〈アニメ制作現場の裏話〉(ゲスト:宇田鋼之介さん)

大泉図書館では、アニメ監督・演出家の宇田鋼之介さんによるトークイベントを実施しました。
最初に作品を作る上での自分のスタイルから解説。
宇田さんは作品を作る上で、ストーリーには現れないかもしれない、各キャラクターの性格や成績、家族構成、幼少期の過ごし方などの設定を考えると言います。
そのきっかけの1つが、カナダの作家L・M・モンゴメリの小説「赤毛のアン」。登場するキャラクター1人1人に個性があり、それが非常にリアルでショックを受けたそうです。
このことは、演出を務めていた「ゲゲゲの鬼太郎」(第4期/96~98)や「金田一少年の事件簿」(97~00)などで、登場人物のリアクションやゲストキャラの扱いを考える際にも役に立ったとのこと。
「この作業は大変だけど面白い作業です」と、宇田さんは語ります。

もう一つ、宇田さんの作品作りに大切なのが、作品舞台を描くために行われる〈ロケハン〉です。
シリーズディレクターを務めた「マジンボーン」(14)では、作品のリアルな空間を作りだすために、東映アニメーションのスタジオのある大泉学園を作品の舞台に設定。様々な場所へロケハンに出かけたそうです。
主な舞台の1つである〈氷川神社〉には許可をもらい、主人公が「宮司の息子」という設定を作ることができたそうです。
また、「銀河へキックオフ!!」(12)の後半は、スペインのバルセロナが舞台になるので「ダメモト」でロケハンに行けないかと相談したところOKが出たので美術スタッフも一緒にロケハンを敢行。「美術さんから上がって来る絵に、バルセロナの空気感が出ていました」と、ロケハンでの成果も話します。
昨年放送された「女川中バスケ部 5人の夏」は、宮城県女川町の女川中学バスケ部の5人の部員が全国大会を目指す実話を元にした作品。実際に学校や生徒を取材することができたのが非常に助かったそうです。

このように、自分の作品制作を例に出しながらのトークに、参加者も真剣に耳を傾け、メモを取る姿も見られました。
後半には質疑応答の時間も設けられ、その一つ一つに応える宇田監督の姿も印象的でした。

宇田鋼之介(うだごうのすけ)

アニメ監督、演出家。東映アニメーション作品を中心に、数多くの作品を手がける。
〈アニメコンペティション練馬〉の審査員や、練馬区PRアニメ「タイムカプセル+」の監督など、練馬区とも関わりが深い。
今年8月放送のTVスペシャル「ONE PIECE エピソード オブ 空島」、11月放送開始のTVアニメ「火ノ丸相撲」では総監督を務める。
主な監督作品
・TVアニメ
「ONE PIECE」(シリーズディレクター/99~06)、「マジンボーン」(シリーズディレクター/14)、「DAYS」(16)、「女川中バスケ部 5人の夏」(17) など
・劇場版アニメ
『銀河鉄道 999・エターナルファンタジー』(98)、『ONE PIECE THE MOVIE デッドエンドの冒険』(03)、『虹色ほたる ~永遠の夏休み~』(12) など

Pick Up!〈大泉第二中学校 吹奏楽部演奏〉

大泉小学校体育館では、大泉第二中学校吹奏楽部による公演が行われました。
最初に、大泉在住の漫画家・松本零士先生へのオマージュとして「銀河鉄道999」の主題歌が華々しく演奏されました。そして、誰もが知る「アンパンマン」のキャラクターテーマなどをフィーチャーしたメドレー、「ちびまる子ちゃん」の主題歌など、おなじみの曲が続きます。
そして、これも定番となる「となりのトトロ」のアレンジ楽曲「トトロ・ファンタジー」を演奏。軽快なリズムで会場がなごみの空間に。続いて「忍たま乱太郎」のテーマソング「勇気100%」、日曜の夜の定番「サザエさん」の楽曲を集成した「サザエさんア・ラ・カルト」へ。ここではさらにコミカルな打楽器も多用されて、思わず笑みがこぼれます。
さらに、2016年の超ヒット作「君の名は」から、RADWIMPSの曲を吹奏楽にアレンジした「君の名は。コレクション」と、一気にトレンド最前線の曲へ。映画の場面を思い出す軽快なメロディに、観客のみなさんも聴き入っていました。
最後は、「宇宙戦艦ヤマト」の壮大なオープニングテーマを勇ましく演奏。全8曲で観客を魅了しました。演奏力の高さはもちろん、なによりも部員のみなさんの真剣で熱い演奏自体がとても印象的でした。

大泉小学校 会場

次々と登場するアニメキャラクターに大興奮!吹奏楽演奏やアニメ教室も大盛況

メイン会場となったのは練馬区立大泉小学校。好天にも恵まれ、開場時間が近づくにつれて、会場にはたくさんの方が来場しました。
そして今回は、中庭が開会宣言の舞台となりました。登壇したのは、おなじみのキャプテン・ハーロックに扮したアニメプロジェクトin大泉推進連絡会会長の貫井武彦さん。大泉第二中学校吹奏楽部の部員による見事なファンファーレとともに、高らかに開会が宣言されました。

中庭の正門前にはテントも用意され、今回のステージにちなんで「ゲゲゲの鬼太郎」、「おしりたんてい」のPRブース、さらに日本郵便、TジョイSEIBU大泉のブースが出展。会場の盛り上げに一役買いました。

10時10分にスタートした体育館最初のステージは、大泉第二中学校吹奏楽部による公演です。様々なアニメ作品の音楽が演奏されました。
大泉第二中学校吹奏楽部演奏の詳しい内容はこちらから

続いて11時からは〈HUGっと!プリキュアショー〉。今年のプリキュアショーは立ち見が大勢出る大盛況ぶり! 例年以上の熱気に包まれました。
ステージがはじまり、キュアエール、キュアアンジュ、キュアエトワールの3人、そしてプリキュアたちの仲間のハリハム・ハリー(人間体)、はぐたんが登場すると、女の子たちの真剣な声援がひっきりなしに飛び交います。今作の敵となるパップルさまが登場すると、その迫力に客席の子どもたちもたじたじ。それでもプリキュアたちは、会場のみんなの力を借りて、そんな敵に敢然と立ち向かうのでした。

13時からは、劇場版アニメ『はいからさんが通る〜紅緒、花の17歳〜』前編の上映会です。本作は1970年代に大人気を博した大和和紀さんの同名漫画が原作で、これまでもアニメ化はもちろん、実写映画や舞台化もなされ、さまざまな媒体で不動の人気を得てきた作品。大正浪漫というジャンルを不動のものとした記念碑的な名作でもあります。今回上映されたのは2017年11月に公開されたばかりの劇場版アニメ前編で、2018年中には後編の公開が予定されています。原作の雰囲気を踏襲しつつ、最新のアニメ技法も取り込んだ意欲作に、観客も見入っていました。

15時からは、《「おしりたんてい」がやってくる!》ステージの時間です。「おしりたんてい」は、頭がおしりの形にみえる探偵が、助手のブラウンとともに事件の謎を解いていくという一風変わったTVアニメ。シリーズ累計200万部の大ヒットを記録しているポプラ社の同名児童書が原作です。2018年5月からNHK Eテレで放送が開始され、大きな話題となっています。またアニメ版の制作は、大泉を拠点とする東映アニメーションが担当しているということもあり、大泉とは縁の深い作品ともいえます。
ステージでは、まずアニメの一部を上映。おしりたんていが「失礼こかせていただきます!」の決めゼリフとともに顔からおなら(?)をすると、会場の子どもたちから笑いがこぼれます。そして、主人公のおしりたんてい自身が会場に現れ、作品全体を紹介していきます。続いては今後の予告映像が上映され、「ププっとププっと解決ざんす♪」という掛け声も斬新なダンスを、会場のみんなと一緒に踊ります。最後は、おしりたんていが会場のお友だちひとりひとりと握手してお開きとなりました。

続いては「ゲゲゲの鬼太郎」ステージ。言わずと知れた故・水木しげるさんの漫画を原作とするシリーズで、2018年4月からは新作アニメシリーズが放送されています。今回は、この新シリーズをフィーチャーしたステージとなりました。まずはPRビデオ、最新話(※イベント開催時)の予告映像が上映され、続いて鬼太郎自身が登場して盛り上げます。最後はその鬼太郎が中庭に移動し、お友だちひとりひとりと握手&記念撮影。中庭には順番待ちの長蛇の列ができていました。

また体育館の後方には、石神井公園ふるさと文化館が収蔵する、アニメ作品ポスターの展示コーナーを設置。〈アニメプロジェクトin大泉〉と関わりの深い作品でもある「銀河鉄道999」や「ゲゲゲの鬼太郎」などの劇場版やTVシリーズの宣伝ポスターが展示され、会場に華を添えました。

中庭奥の教室では、恒例の〈セル画体験教室〉を開催。
教室では、練馬区公式アニメキャラクター「ねり丸」が描かれた5パターンのセルから好きなものを選び、彩色していきます。子どもたちが作業に集中する様子がとても印象的でした。
体験教室前のテントでは、こちらも前年と同じく〈アニメ背景教室〉が実施されました。ポスターカラーなどの製造・販売で知られるニッカー絵具さんが全面協力し、実現した体験教室のひとつです。実際のアニメ作品で背景を担当するプロの方々が講師となり、子どもたちに熱心に指導していました。
どちらの教室も、たくさんの子どもたちで大盛況。絵を描く楽しさやアニメをつくる楽しさを実感できる、貴重な体験の場となっていた様子でした。

妙延寺 会場

由緒あるお寺の境内で繰り広げられる、熱いお祭り!

メイン会場となった大泉小学校から東にしばらく進んだところに、練馬区内でも屈指の古刹である妙延寺があります。今年も、このお寺の境内一帯を会場として、大泉学園北口ゆめーてる商店街にまつわる催し物がにぎやかに繰り広げられました。
本堂前のステージを中心として、その外周には「うまいもの市~青年部商店街屋台」と称された出店が数多く立ち並びます。なかには射的やボール入れといった出店もあり、まさにお祭りの様相! 今年も地元の会員様のお店と近隣の商店街のお店が多数出店するなど、賑やかさを増していました。そして前年に続き、会場の一角ではベーゴマ大会が開催され、おじいちゃん世代からお孫さん世代、さらに女の子も多数参加して、熱い闘いが繰り広げられていました。

本堂前の特設ステージでは、今年もさまざまなショーが催されました。午後1時からのステージは、ゆめーてる商店街を護るご当地ヒーロー「護街戦士ショウエイダー」のショー。今年は例年になく敵のブラックローズ団の気合いが入っていた様子で、そんな手ごわい敵を相手にショウエイダーは大奮闘。会場のお友だちの声援を一身に受けて商店街を護り切ったのでした。さらに今年は、ショウエイダーのテーマソングを歌うSHUN from maxmodeさんが登場し、熱い歌声でそのテーマソングなどを披露されました。

続いては、毎年恒例となっている愛甲ミカさんのアニソンライブ。愛甲さんはゆめーてる商店街のテーマソングも歌っている歌手で、その澄んだ歌声はもはやイベントに欠かせないものになっています。今年も人気シリーズのアニソンなど、おなじみの曲を軽やかに歌いあげました。

そして15時からはプリキュアグリーティングタイム。待ちに待った子どもたちが、笑顔でプリキュアと挨拶しているのがとても印象的でした。続いて15時30分からは「HUGっと!プリキュア」ショーを開催! その大盛況ぶりに、プリキュア人気の高さが実感できるステージでした。

大泉風致地区公園会場

2校の吹奏楽部がアニメソングを演奏!プリキュアの登場に大声援!

大泉学園町7丁目にある風致地区公園には、今年も特設ステージが設けられました。
10時30分から行われた開会式では、前川燿男練馬区長も登壇。「大泉は日本のアニメーションの発祥の地。東映の撮影所もあり、現在も優れた映像を発信し続けています。大泉学園駅前の大泉アニメゲートから、東映大泉撮影所、東映アニメーションスタジオに至るまでを、映画やアニメーションのキャラクターに会える、映像の歴史をたどれる、そういった街にしていきたいと思っています」と挨拶しました。
イベントは、練馬区立小中一貫教育校大泉桜学園吹奏楽部の演奏で幕あけ。数々のアニメソングを披露しました。続いて大泉学園中学校の吹奏楽部が登場し、こちらも有名なアニメ作品から劇中曲や主題歌を演奏。両校とも、アンコールの声が上がる盛り上がりをみせました。
会場にはプリキュアも来場!12時すぎにキュアエールが登場し、子どもたちがお待ちかねのグリーティングタイム。13時からは〈HUGっと!プリキュアショー〉も行われ、ステージ前の子どもたちから、大きな声援が送られていました。
会場には、「三国志演義」をモチーフとしたアニメ「三国志演義列伝 英雄群像」の背景画を使った撮影コーナー〈インスタ映えの1枚を撮ろう〉も設置。【桃園の誓い】や【赤壁の戦い】など、三国志の名シーンが大きくパネル化されていました。
ふわふわ遊具や商店会の屋台も大盛況でした。

大泉図書館会場

宇田監督の制作エピソードに興味深々。アニメ上映やアテレコ体験も実施!

大泉図書館では、アニメ上映、トークイベント、アテレコ体験などが行われました。
視聴覚室では10時からと15時15分からの2回、『太陽の王子 ホルスの大冒険』を上映。東映動画(現・東映アニメーション)が製作し、1968年に公開された劇場作品です。
『火垂るの墓』(88)や『かぐや姫の物語』(13)など数々の作品を手がけ、先日惜しくも亡くなられた高畑勲さんの初監督作としても知られる作品で、この日もたくさんの方が上映に駆けつけました。
11時35分からは〈東映アニメーション作品上映〉として、TVアニメ「ゲゲゲの鬼太郎」第3期から、第1話と第2話が上映されました。
13時からは、アニメ監督・演出家の宇田鋼之介さんによるトークショー《アニメ制作現場の裏話》を開催。日ごろ聞けない制作現場の苦労話やエピソードなどが語られました。
トークショーの詳しい内容はこちらから

会議室で10時からと13時からの2回にわけて、アニメアテレコ体験を実施。宇田さんが監督した練馬区PRアニメ「タイムカプセル+」の映像素材を使って、アテレコを体験する企画です。元々、セリフのない作品ですが、今回の為に春・夏・秋・冬の4シーンの1部を抜粋して台本が作成されていました。宇田さんのトークイベントの後、さっそくアテレコに挑戦する参加者の姿も見られました。
各会場には、大泉図書館が所蔵するアニメーション関連書籍を紹介するコーナーも設置し、貸出を行いました。

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